近年問題になっている相続人不存在の物件。家主に身寄りがなかったり、ゴミ屋敷であったりと問題が多い傾向にありますが、その物件がどのように次の持ち主にわたるのかを株式会社共信トラスティ代表取締役である土屋忠昭氏が解説します。

相続人不存在のゴミ屋敷物件のさばき方

また、物件がゴミ屋敷となっているケースも多くみられます。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

この場合は、裁判所の許可を受けて相続財産管理人から残置物処理業者にゴミ処理を依頼してもらいます。

 

相続財産にお金がない場合は、処理業者に処理費用見積書を作ってもらって、買主にその費用分を減額して買ってもらい買主に処理してもらいます。

 

次に高齢化社会の反映として増えているのは、高齢者の後見人からの依頼による不動産売却です。後見されている高齢者(被後見人といいます)の不動産売却のうち、自宅の売却には、家庭裁判所の許可が必要とされています。被後見人が高齢で介護施設から自宅へ帰ってくる目途がなくなった場合は、売却許可が下りるようです。

 

後見監督人が選任されている場合に、後見人が不動産を売却するには、後見監督人の同意が必要となります。

 

後見人からの依頼で私どもが不動産を売却する場合も、原則として、入札方式で売却しています。

 

後見人には法定後見制度と任意後見制度があります。本人が誰を後見人とするか、どのような代理権を与えるかについて、本人の意思で決定できる任意後見が自己決定権を尊重する趣旨から法定後見に優先します。

 

しかし、家庭裁判所が本人の利益のため特に必要があると認める場合、任意後見契約がなされていても、法定後見が行われることがあります。

 

法定後見では、本人の意思が反映されることなく、家庭裁判所の職権で弁護士や司法書士等の専門家が後見人に選任されます。

 

そこで、本人に判断能力が十分あるうちに、本人の信頼できる人を任意後見人に選ぶことが肝心です。

 

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本記事は『増補改訂版 不動産は「オークション」で売りなさい』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、再編集したものです。

増補改訂版 不動産は「オークション」で売りなさい

増補改訂版 不動産は「オークション」で売りなさい

土屋 忠昭

幻冬舎メディアコンサルティング

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不動産は「オークション」で売りなさい

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