病院の役割で「追い出されるのではない」
命を救う高度急性期病院・
急性期病院
脳血管疾患など緊急を有するものは高度急性期病院や急性期病院で治療を受けます。この病院の役割は命を救うことで、一般的に2週間を待たず退院となります。症状が安定し転院となりますが、これを追い出されたと思う人も多くいるようです。ここのベッドは次の緊急患者のためのものです。退院時期を決めるのは、医師や看護師の感情ではなく、病院の役割上、仕方のないことであると理解しておけば、余計な怒りとストレスを抑えることができます。
疾患によっては
回復期リハビリテーション病院で
集中的にリハビリを
回復期リハビリテーション病院は、回復期に集中的なリハビリを行うことで低下した機能を取り戻すことが目的です。厚生労働省によって、病気の種類や状態によって入院期間も決められています。脳血管疾患、大腿骨頸部骨折などの患者が常時8割以上入院しています。そして、「もう少しリハビリをここで続けたい」などの希望は難しくなります。
【回復期リハビリテーション病院 東京】などで検索すると対象の病院が調べられるので、取り組みなど気に入ったところがあれば、転院を受け入れてもらえるか直接、自分で問い合わせることも可能です。
地域包括ケア病棟で在宅復帰に向けて
準備をする
地域包括ケア病棟は手術や検査など急性期を経過し、症状が安定した患者の在宅復帰を支援する病棟です。自宅や介護施設に復帰予定で、経過観察や在宅での準備が必要な場合、医師の判断で提案されます。ここに続けて入院を希望すると転棟となり期間は60日が限度です。入院費用も地域包括ケア病棟入院料となり一般病棟より増額となる場合がありますが、高額療養費制度によって月の医療費に上限がある場合、負担額は変わりません。在宅復帰率も7割以上あり、専任の在宅復帰支援担当者が配置されています。
退院後も継続した治療が必要なとき
療養病床は長期間の療養が必要な患者のベッドを病院内に設置したもので、医療療養病床(医療保険対象)と介護療養病床(介護保険対象)があります。現在ある介護療養病床は高齢者の社会的入院、高額療養費の問題で廃止予定ですが、今後その役割は介護医療院などの医療付き介護施設へと転換されます。医療療養病床は、今後も医療措置の必要性の高い患者を受け入れるため残ります。
病院に3か月ルールがある理由
入院は病院によって、診療報酬が異なり「出来高方式」と「包括評価方式(DPC)」があります。出来高方式とは入院中の診療行為ごとに医療費を計算するもので、包括評価方式(DPC)は病状に応じて1日当たりの定額料金を基本に医療費を計算しています。自動車損害賠償責任保険や労働者災害補償保険で入院する場合や自由診療で入院、日帰り手術で入院の場合は出来高方式となります。DPC対象病院であるかは入院時に確認できます。DPC対象で入院しているのに他の医療機関で診察や投薬を受けると、その費用は自費となります。
例として一時外泊が許されて、他の先生の意見も聞きたいなどという思いから診察を受けるというイメージです。そして、病院は3か月で退院させられるという話もありますが、これには包括方式が影響しています。病院としては投薬、検査、点滴など処置回数に関係なく診療報酬総額が変わらないもので「まるめ」とも呼ばれます。入院が90日を超えると診療報酬の低い「まるめ」となるため、退院してほしいわけです。入院して2週間は報酬も高いため、この期間は退院させたくないので逆に退院日に影響を与えます。病院は営利主義なのです。