深夜、隣から響く笑い声にうんざり。やっと静まったかと思えば、天井から「ゴツッ!」と何かを落とした音が聞こえる…。騒音問題、誰しも一度は経験するものです。そこで本記事では2018年3月刊行の書籍『安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる』より一部を抜粋・再編集し、日々の暮らしを快適にするにはどうすべきか、解説していきます。

「木造住宅」でまさかの事態が発生するワケ

「遮音」とは空気中を伝わる音を遮断して、音の出入りを防ぐはたらきです。音の発生源の周囲に壁などの物理的な障害物を置くことで、他の部屋や屋外に音が漏れることを防ぎます。

 

通常は遮音(音を跳ね返す)性能がある部材を使って障壁を造りますが、遮音性能が高い部材を使い過ぎると、室内で音が反響を繰り返すようになるため、元の音と重なって音が変わったり、聞き取りにくくなったりするケースもあるので注意が必要です。

 

一方、「吸音」は音の振動を吸収することによって音を小さくする防音手法で、空気伝播音と固体伝播音の両方にはたらきかけることができる方法です。小さな穴が無数に空いている素材で音の振動を取り込み、反射や壁などへの透過を防ぎます。

 

吸音材としては、ウレタンフォームやグラスウール、ロックウールなど、吸音性能が高く比較的安価で施工しやすい建材がよく使われます。音を反射させる遮音とは違い音源をそのままの音質で聞くことができるため、録音スタジオなどでは吸音材が多く使われています。快適な音環境を目指すのであれば、単に防音性能を高めるだけでなく、音の遮断と反射、吸収を適切に組み合わせて考えることも大切です。

 

■RC造は重さと厚みで音を消す

 

建材の遮音性能は単位面積あたりの重さで決まります。重たい物体ほど振動エネルギーを反射する力が強く、音を透過させないためです。つまり、なるべく比重が大きい材料でなるべく分厚い壁や床を造ると、高い遮音性能を発揮できるということです。

 

例えば、鉄筋コンクリートの比重は1立方メートルあたり2.4トンです。一方、木造住宅で内壁を構成する部材の一つとしてよく使われる石膏(せっこう)ボードは12.5ミリ厚で1平方メートルあたり20キログラム程度、発泡コンクリートは1立方メートルあたり650キログラムです。この数値を見ても、RC造住宅は単位面積あたりの重量が大きく遮音性に優れていることが分かります。

 

音の遮音性を表すD値で示すと、木造住宅は通常D25程度ですが、RC造住宅の場合はD50程度が一般的です。D値は大きいほど遮音性が高いとされ、例えば屋外で100デシベル(電車通行時の高架下の音程度)の騒音があった場合、木造なら75デシベル、RC造なら50デシベルに低減されると考えることができます。

 

50デシベル以下であれば、静かな事務所の生活音程度の大きさなので、音によるストレスをほとんど感じることなく過ごすことができるのです。

 

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安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

磯崎 慎一

幻冬舎メディアコンサルティング

美術館やランドマークなどに使われ、高いデザイン性が認められながらも、「部屋に熱がこもりそう、寒そう」というイメージが強い鉄筋コンクリート造の住宅。 しかし実際には「夏は涼しく、冬は暖かい」という優れた居住性があ…

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