管理費や修繕積立金は年間30万円以上
お金を払ってでも手放したい現状
一説によれば、湯沢町にあるリゾートマンションの6割が、1年に1日も利用されていないとか。こういう数字には、どこまで信憑性があるのかわからない。
ただ、湯沢町の各エリアにあるリゾートマンションを見て回ると、オフシーズンに利用されている住戸は全体の1割にも満たないであろうと想像できる。私が宿泊に利用したマンションでは、全700戸のうち、夜の10時30分に部屋の明かりがついていたのは5戸だった。
こういったリゾートマンションの所有者の多くが、「できれば手放したい」と考えているはずだ。運よく買い手が見つかる場合もあるのだろうが、大半の人が絶望感を味わいながら、管理費や修繕積立金、そして固定資産税などを払っていると想像できる。その費用は30㎡程度の狭い住戸でも、年間30万円前後はかかる。駅に近くて広い住戸だと、年間50万円以上になるはずだ。
年に1日も使わないのに、そういった費用は払い続けなければならない。これはもはや不動産ではなく、所有しているだけで自分の資産がマイナスになる「負」動産だろう。
最近、「なんとか手放せないものか」と考えている所有者の弱みに付け込んだビジネスが登場した。
その会社のビジネスモデルは、「3年分の所有経費を払ってくれたら、区分所有権をもらってあげますよ」というもの。現所有者から3年分の管理費や修繕積立金、固定資産税などの総額相当を払わせることで、所有権を自社関連の法人に移転させるのだ。
所有者からすれば、3年分の経費を払うことで、実質的に4年目以降の支払いから完全に解放される。「だったら、3年分払うから引き取ってください」ということになるのだ。