理想に燃えて介護職員になったが…
話を職員の問題に戻します。今の介護職員がいないという現状は、“我々は奴隷ではない”という介護職員の反乱だと思っています。
理想に燃えて介護職員になった者も存在していますが、彼らの理想は、現実にいきなり身を置くことで、いとも簡単に崩れてしまい、その結果、退職となっていきます。老人ホームの運営事業者が、理想だけではなく現実についても入職時にしっかりと教育をしておけば、介護職員の心構えに少しは余裕ができ、思考を止めずに仕事を継続していくことができるはずです。
介護保険事業で介護職員が辞める本当の理由。それは、介護職員がやりたい介護ができない環境で強制労働をさせられているからにほかなりません。ちなみに、やりたい介護とは、自身が学び、よかれと考えている介護です。
私は、それを「流派」と呼んでいるのです。そして、その「流派」は、ホームの運営に生かすべきものなのに、実際はホームとの対立軸になってしまっています。ここが問題だと、私は考えています。人は誰しも、自分のやりたいことや自分が考えている正しいことと自分の仕事が合致していれば、仕事に対するストレスはなくなるはずです。
小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役
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