加齢と共に増加し、80代でほぼ100%の人が発症する「白内障」。視力の低下に人知れず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし近年では、治療方法も大きく進歩しています。今回はベテラン眼科医が、白内障の目薬の効果と、根本的に治す方法を解説します。

白内障以外で注意しておきたい「4つの目の病気」

最後に、白内障以外の注意しておくとよい目の病気を解説しておきます。

 

見えにくくなって「年齢的に白内障かな?」と思っていたら、別の病気だったというケースは決して珍しいことではありません。

 

また中高年になると、白内障とともに別の目の病気を併発していることもあります。なかには、発見が遅れたり重症化したりすると、視力を失う病気もありますから、気になる症状があったときは眼科を受診してください。

 

・緑内障

目の奥にある視神経が傷ついて、視野が欠けてくる病気です。なんらかの理由で眼圧が高くなって起こるタイプと、眼圧が低いまま視野が欠けるタイプがあります。通常は進行がゆっくりで、目薬でコントロールできることが多くなっています。まれに急激に眼圧が高まる急性緑内障発作が起こると、短期間に視力を失うこともあります。

 

・糖尿病網膜症

糖尿病により、網膜や網膜の細い血管が傷ついて視力が低下する病気です。糖尿病の代表的な合併症の一つで、糖尿病患者のおよそ4割に見られるといいます。初期には自覚症状がありませんが、進んでくると目のかすみや飛蚊症(虫や糸くずのような影が見える)が起こります。網膜で大量出血が起こると、急激に視力が低下します。

 

・黄斑変性症(加齢黄斑変性)

網膜のなかでも重要な「黄斑」に不具合が起こることで、ものが見えにくくなります。初期には視野の中心部が見えにくい、ものがゆがんで見えるなどの症状が起こります。進行すると中心部が真っ黒になり、見えなくなります。早期に気づいて治療を始めることが重要です。

 

・網膜色素変性症

網膜にある視細胞が傷つくことで、見えにくくなる病気です。初期には暗いところで見えにくい(夜盲)、周辺部分から視野が狭まるなどの症状が起こり、次第に色覚異常や視力低下が進みます。一部に遺伝が関係するものもあり、難病指定されています。

 

松原令

医療法人社団松原眼科クリニック理事長

 

 

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※本記事は、松原令氏の著書『「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療

「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療

松原 令

幻冬舎メディアコンサルティング

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