白内障以外で注意しておきたい「4つの目の病気」
最後に、白内障以外の注意しておくとよい目の病気を解説しておきます。
見えにくくなって「年齢的に白内障かな?」と思っていたら、別の病気だったというケースは決して珍しいことではありません。
また中高年になると、白内障とともに別の目の病気を併発していることもあります。なかには、発見が遅れたり重症化したりすると、視力を失う病気もありますから、気になる症状があったときは眼科を受診してください。
・緑内障
目の奥にある視神経が傷ついて、視野が欠けてくる病気です。なんらかの理由で眼圧が高くなって起こるタイプと、眼圧が低いまま視野が欠けるタイプがあります。通常は進行がゆっくりで、目薬でコントロールできることが多くなっています。まれに急激に眼圧が高まる急性緑内障発作が起こると、短期間に視力を失うこともあります。
・糖尿病網膜症
糖尿病により、網膜や網膜の細い血管が傷ついて視力が低下する病気です。糖尿病の代表的な合併症の一つで、糖尿病患者のおよそ4割に見られるといいます。初期には自覚症状がありませんが、進んでくると目のかすみや飛蚊症(虫や糸くずのような影が見える)が起こります。網膜で大量出血が起こると、急激に視力が低下します。
・黄斑変性症(加齢黄斑変性)
網膜のなかでも重要な「黄斑」に不具合が起こることで、ものが見えにくくなります。初期には視野の中心部が見えにくい、ものがゆがんで見えるなどの症状が起こります。進行すると中心部が真っ黒になり、見えなくなります。早期に気づいて治療を始めることが重要です。
・網膜色素変性症
網膜にある視細胞が傷つくことで、見えにくくなる病気です。初期には暗いところで見えにくい(夜盲)、周辺部分から視野が狭まるなどの症状が起こり、次第に色覚異常や視力低下が進みます。一部に遺伝が関係するものもあり、難病指定されています。
松原令
医療法人社団松原眼科クリニック理事長
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