年齢を重ねた人の多くが発症する「白内障」。視力の低下に人知れず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、白内障手術を多く手掛けてきたベテラン眼科医が、「ものがはっきり見える目」と「白内障の目」の仕組みの違いから、白内障になるとものが見えにくくなる原因について解説します。

視力は年齢とともに変化する

私たちの視力は、年齢とともに変化します。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだほとんど目が見えていません。明るい・暗いの判断が付くか、ぼんやりと感じる程度です。

 

生後1カ月もすると、ごく近い距離が見えるようになってきて、3~4カ月になるとお母さんの顔がはっきり見えるようになります。だからこの頃の赤ちゃんは、お母さんやお世話をしてくれる人の顔を見てにっこりと笑ったりしますね。

 

そして、生後6カ月から3歳頃の間に、子どもの視力は急成長します。だんだんと遠くのものと近くのものが区別できるようになり、視野も少しずつ広がっていきます。そして6~7歳になると、だいたい大人と同じくらいの視力(視力1.0~1.2)をもつ子が多くなります。

 

10代になると、近視になる子どもが増えてきます。最近ではゲームやスマートフォンを使用する時間が長くなっていますから、以前に比べると近視の割合は高くなっています。10代のおよそ4人に1人が、眼鏡やコンタクトレンズで視力矯正をしているといわれています。そのあと、20~25歳ぐらいになると近視が進むことは少なくなり、視力は安定した状態になります。

 

特に日本のように清潔な生活環境で医療制度が整っている国では、大人になってから視力が大きく変わることはあまりないと考えていいでしょう。

 

それでは、日本人の大人になってからの視力低下の原因でいちばん多いのは、なんだと思いますか?

 

正解は、白内障です。意外に思った人もいるかもしれません。よくいわれる日本人の失明の原因で最も多いのは「白」ではなく「緑」のほうの、緑内障ですね。ですが、視力低下の原因でいちばん多いのは白内障なのです。白内障はそれだけ多くの人が経験する目の病気だということです。

 

近年では、1年あたり150万件以上の白内障手術が行われています。人間の目は二つありますから、1人が2回手術すると考えると、年間約75万人が白内障手術を受けている計算になります。筆者のクリニックがある神戸市が、ちょうど150万人都市ですから、神戸の人口の半分にあたる人が手術を受けているというのは、なかなかすごいことです。

 

では、このような白内障はどうして起こるのでしょうか。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

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※本記事は、松原令氏の著書『「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療

「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療

松原 令

幻冬舎メディアコンサルティング

白内障は、加齢によって進行し、80代のほぼ100%が、目の悩みを抱えているといわれています。ですが、諦めることはありません。白内障を確実に治療し、さらには失われた視力さえ取り戻す方法があるのです。 それが、眼内レン…

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