「白内障の目薬」は進行を遅らせるだけ
目の健康にも気を付けていたけれど、最近やっぱり見えにくい…、白内障が進んできたみたい…。そういときはどうすればいいのでしょうか。
眼科で検査をして白内障の初期と分かり、ほかに心配な症状などがない場合は、だいたい目薬が処方されて経過観察になります。読者の皆さんにも「眼科でもらった目薬を差しています」という人も少なくないと思います。
このとき眼科でよく出されるのは、ピレノキシン点眼薬です。商品名でカタリンK、カリーユニといったほうが皆さんには聞きなじみがあるかもしれません。これらピレノキシン点眼薬には、水晶体のタンパク質が変質するのを抑える働きがあり、白内障の進行を遅らせる作用があります。
もう一つ、グルタチオン点眼薬というのもあります。医療品名では、タチオンといいます。グルタチオンは、もともと水晶体や角膜に多く含まれている成分で、水晶体の濁りを抑え、透明性を保つ働きがあります。白内障になるとグルタチオンが減ってくるので、目薬で補うことで白内障の進行を抑えます。
ただ、皆さんに知っておいていただきたいことがあります。それは、こうした目薬で水晶体の濁りが取れるわけではないということです。
時々、「白内障の目薬をずっと差しているのに、ちっとも目が見えるようにならない」とこぼす人がいますが、それはもっともなことです。目薬に期待できるのは白内障が進むのを抑える、進行を緩やかにするということだけです。長い間目薬を使い続けていても、少しずつですが白内障は進行していきます。そして、だんだんと見えづらくなっていくのです。
もちろん、目薬だけで特に困ることがないうちは様子を見ても構いませんが、「生活で不便なことや困ることが増えている」「もっとよく見えるようになりたい」という場合は、白内障の手術を考えてほしいと思います。
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