理由③ 「体重」にこだわり過ぎる
ダイエットをしようとするほとんどの人は、「いついつまでに、〇㎏痩せよう」という目標を立てます。一見、具体的な目標があってよいのでは、と思いますが、実はそれ自体にも大きな落とし穴が潜んでいます。
一般的にダイエットとは、「体重を減らしたり、身体を細くしたりすること」というニュアンスでとらえられがちです。そのため、多くの人は、ダイエット期間中に、体重がどれくらい落ちたかが気になって仕方ない、というのが普通だったりします。
ですが、そもそもあなたは、いったいなんのためにダイエットをするのでしょうか?
きっと、昔はいていたジーンズをはきたいとか、夏に向けてキレイになりたいとか、あるいはメタボを健診で指摘されてしまった、などさまざまな背景やきっかけがあり、ダイエットに取り組むケースが多いかと思います。そのようにダイエットを始めようと思い立った背景を、個々にもう少し掘り下げて聞いてみると、実はほぼ共通した答えにたどり着きます。
というのも、さまざまな事情があるにせよ、皆さんがダイエットをする真の目的を一言で言えば「自身の美容と健康のため」ということにほとんど集約されるのです。
そして、それはあなたにとって「なりたい自分」であると同時に、ダイエットの目指すべき目標「最適な状態」と、非常に近いものとも言えます。つまり「ダイエット=体重を落とす」という概念は、あくまで表面的なものであり、「ダイエット=最適化」という概念が皆さんの思いの根底にあるのです。
ダイエット経験のある読者の皆さんのなかには、毎日体重計に乗っては、なかなか減らない体重に一喜一憂している方がいるのではないでしょうか。
でも、よく考えてみてください。きっとあなたは、きっかけはどうあれ、「自身の美容と健康を手に入れたい」という本来の思いが根底にあり、それを目指そうとダイエットを始めたはずなのです。
でも、それが「ダイエット=体重を落とすこと」という表面的な感覚に引きずられ、あなたの根底にあったはずの思いや目標はいつの間にか、ただ「体重を下げる」ことに、すり替わっていませんか?
ここに大きな問題があるのです。
というのも、体重の変化に固執し過ぎてしまうと、思うように体重が落ちなかったとき、「このやり方で正しいのだろうか」「もっと効率よく痩せる方法はないのか」と不安になり、なんとか成果を出そうと体調を壊しかねない無茶をしようとしたり、また違ったダイエット法を模索し始めたり、「無限ダイエット地獄」へと足を踏み入れることにつながる可能性があるのです。
体重の変化は「本当になりたい自分」を叶えるまでの途中経過に過ぎません。にもかかわらず、「途中経過」に振り回されて迷走してしまうと、理想の目的地から遠く離れたとんでもないところに行ってしまうようなことになりかねないのです。
むしろ、しっかりと「なりたい自分」という目的地を見失わずに、歩みを進めていきさえすれば、その過程にある「体重が減る」という結果は、自ずと付いてくるはずです。
忘れてはいけないのは、あなたの本来の望みは、自分がどうしても行きたい目的地があり、そこに到達することです。そこがブレてしまっては、本当に望んでいるものは得られません。旅行で言えば、絶対に行きたい場所があって、最初は、そこに行くために、まずは飛行機に乗ったはずです。
それなのに、マイルを貯めること自体に気を取られ、いつの間にか肝心の目的地に行くことすら忘れ、意味のない飛行機の移動を繰り返しては、マイレージポイントが貯まったかどうかばかりを気にしているようなものです。
改めてお聞きします。あなたは、そもそもどこに行こうとしていたのでしょう?