食べたいものを我慢しても、運動をしてもやせられない。その上、ダイエットのせいで活力を失ったり、健康を損ねてしまったりすることも…。なぜ多くの人がダイエットに失敗するのか、医学的アプローチから検証すると、納得の理由が見えてきました。クリニックでダイエット指導を行う医師が、「糖質オフ」「カロリーゼロ」の食品に潜むリスクと、朝食を摂らない習慣が肥満やメタボの原因になる理由について解説します。
「糖質オフ」「カロリーゼロ」の商品にも注意が必要
最近、よく目にする「糖質オフ」「カロリーゼロ」という商品には、注意が必要です。糖質オフの飲料水やお菓子などには、ほとんどの場合、人工甘味料が使われています。アスパルテーム、サッカリン、スクラロース、アセスルファムカリウムなどが挙げられます。
例えば、アスパルテームは、フェニルアラニンやアスパラギン酸から化学合成された人工甘味料で砂糖の200倍近い甘みがあり、食後血糖を上げない特徴があるとされています。しかし、実際には興奮毒に分類され、依存性があり、摂取することによって甘いものやジャンクフードへの欲求を高める作用が懸念されています。
また、セロトニンという神経伝達物質の分泌を抑制して食後の満腹感を阻害して、食べ過ぎを助長するため、糖尿病を悪化させたり、発がんのリスク、腸内細菌叢そうを乱す原因にもなることが指摘されるなど、身体への悪影響が報告・懸念されるため、「糖質ゼロ」「カロリーゼロ」と書かれていると、一見安心・安全のように見えるかもしれませんが、極力避けたほうがよいでしょう。
なお、そういった懸念のない甘味料には、糖アルコールという、構造式がアルコールに似た甘み成分のものがあります。
糖アルコールは、果物などの天然食材に含まれ、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの種類があります。これらは体内に吸収されにくく、特にエリスリトールは血糖値をほとんど上昇させない、安全性の高い甘味料と考えられています。ただし、大量に摂取すると、下痢などおなかが緩くなってしまうこともあります。
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医療法人奏仁会 理事長
大阪梅田紳士クリニック 院長
1977年生まれ。2003年大阪医科大学卒業。泌尿器科専門 医、総合内科専門医、NTI認定栄養コンサルタント。福山市民病 院など複数の医療現場を経験したのち「医療を通して働きながら健 やかに生きる」社会を目指し、2013年に大阪梅田紳士クリニックを開院。
現在は年間3万人を超える男性患者に対し、泌尿器科・ 内科の両面から、EDをはじめさまざまな心身のトラブルについて の診療・治療を行っている。2019年からは大阪梅田健美クリニックの診療・栄養指導も担当している。
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連載もうリバウンドしたくない人のための「メディカルダイエット」
大阪梅田健美クリニック 院長
南星クリニック 副院長
1977年生まれ。2003年大阪医科大学卒業。阪和住吉総合病 院に内科医として勤めたのち、大阪医科大学附属病院に糖尿病内科 専門医、総合内科専門医として勤務。その後、高岡南星クリニック の副院長、2019年に大阪梅田健美クリニックの院長に就任し、 医学的根拠に基づいたダイエットを提供している。
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