食べたいものを我慢しても、運動をしてもやせられない。その上、ダイエットのせいで活力を失ったり、健康を損ねてしまうことも……。なぜ多くの人がダイエットに失敗するのか、医学的アプローチから検証すると、納得の理由が見えてきました。クリニックでダイエット指導を行う医師が、食事がファストフードに偏っていたり、自己流ダイエットで同じものばかりを食べ続けたりすると、なぜ「新型栄養失調」になりやすいのかを解説します。
医者の格言「食で治せぬ病は、医も治せない」の真意
運動や筋力アップで代謝を上げることも大切ですが、ダイエットの基本となるのはやはり食事です。
古代ギリシャ時代に、ヒポクラテスという医者がいました。どこかで一度は名前を見聞きしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
古代には病気を迷信や呪術などで治そうとするなど非科学的な考え方でとらえられていましたが、ヒポクラテスはそれを科学的なものに発展させ、のちの西洋医学に大きな影響を与えた功績で知られ「医学の父」「医聖」と呼ばれています。今でも医学部では、彼の遺した医療者の倫理性や科学的な考え方等が表された『ヒポクラテスの誓い』が、講義で取り上げられるほどです。
そのヒポクラテスは食に関する格言をいくつも残しており、そのなかの有名な一つが見出しに挙げた「食で治せぬ病は、医も治せない」です。食の重要性を説く一言だと思います。
私たちの身体は食べた物でできています。食事は私たちが生きるうえで欠かすことのできない最も基本的な営みといえます。その食を疎かにしてしまえば、いかなる治療法も効力を失ってしまうと、ヒポクラテスは述べているのです。
食事をするということは、栄養を摂ること。当然ながらバランスのとれた栄養状態であることが身体には望ましいといえます。
しかし、現代日本では糖質過多の食生活に偏りがちで、一方、身体をつくるタンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足しがちです。ヒポクラテスの格言になぞらえれば、日々の食事で摂る栄養がバランスの悪い状態になっていたら、クリニックでどんなに良い治療をしたとしても、良い結果は望めない、ということになります。ダイエットにおいてもこれは例外ではありません。
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医療法人奏仁会 理事長
大阪梅田紳士クリニック 院長
1977年生まれ。2003年大阪医科大学卒業。泌尿器科専門 医、総合内科専門医、NTI認定栄養コンサルタント。福山市民病 院など複数の医療現場を経験したのち「医療を通して働きながら健 やかに生きる」社会を目指し、2013年に大阪梅田紳士クリニックを開院。
現在は年間3万人を超える男性患者に対し、泌尿器科・ 内科の両面から、EDをはじめさまざまな心身のトラブルについて の診療・治療を行っている。2019年からは大阪梅田健美クリニックの診療・栄養指導も担当している。
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連載もうリバウンドしたくない人のための「メディカルダイエット」
大阪梅田健美クリニック 院長
南星クリニック 副院長
1977年生まれ。2003年大阪医科大学卒業。阪和住吉総合病 院に内科医として勤めたのち、大阪医科大学附属病院に糖尿病内科 専門医、総合内科専門医として勤務。その後、高岡南星クリニック の副院長、2019年に大阪梅田健美クリニックの院長に就任し、 医学的根拠に基づいたダイエットを提供している。
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