食べたいものを我慢しても運動をしても痩せられない。その上、ダイエットのせいで活力を失ったり、健康を損ねてしまうことも……。なぜ多くの人がダイエットに失敗するのか、医学的アプローチから検証すると、納得の理由が見えてきました。クリニックでダイエット指導を行う医師が、「自己流ダイエット」が失敗する4つの理由を解説します。

「自己流ダイエット」が失敗する4つの理由

筆者は2019年10月にダイエット専門のクリニックを開院して以来、老若男女を問わず多くの患者さんを診ていますが、ダイエットに関する悩みを抱えている人は非常に多いです。

 

本当によくダイエットについて調べている方も多く来院されますが、真偽はともかく、その情報は多種多様です。1日にリンゴ1個しか食べない、糖質を徹底的にカットする、3食とも野菜スープだけ…。なかには私も聞いたことがないような、海外のサプリメントの名前をたくさん並べる方もいらっしゃいます。

 

そしてほとんどの方が、一つの方法だけで痩せようとしたのではなく、二つ、三つ、なかには手あたり次第、本人も覚えていないほどいくつもの方法にトライしては挫折する…ということを繰り返しています。

 

思っていたほど痩せなかった。やめたらあっという間にリバウンドしてしまった。あれほど我慢したのに…。

 

なぜこれほどまでにダイエットに真摯に向き合っているのに痩せられないのか。私は診察をするなかで、多くの人が自己流でやったダイエットが失敗する共通の原因は、主に次の4つだと考えています。

 

理由① 自分の現在地を知らない

 

もし、あなたがこれからどこかに行きたい場所があったとき、まず何をしますか?

 

おそらく、Googleなどで目的地を検索するでしょう。

 

では、目的地の場所が分かったとします。GPS機能のあるスマホさえあれば「現在地」から「目的地」までのルートが自動で示されるので、さほど迷うことなく到着できるでしょう。ですが、GPS機能が付いていなければ、どうしますか? 

 

GPS機能が付いていないのであれば、まずは「今、自分がどこにいるのか」、自身の「現在地」を知る必要があります。これは、ダイエットにもいえることです。

 

仮に、あなた自身はダイエットのゴールである「理想の自分」という目的地がどこにあるのかが分かっていたとします。ところが、いざこれからゴールに向けてダイエットを始めようと思っても、現在の自分の身体がどんな状態なのか、つまり自分が今どこにいるのかという「現在地」が分かっていなければ、そもそも正しい方向に向かってスタートすることすらできません。

 

あなたが今分かっているのは、現在の体重という数字と、ぷよぷよしたおなか周りのぜい肉がたくさん付いているという残念な外見だけです。

 

ここから足し算と引き算を組み合わせながら、複雑なダイエットという方程式に挑戦し、目指すゴールにたどり着くために、まず知っておかないといけない自分の「現在地」を特定するには、あまりに情報が少な過ぎるのです。

 

現在地がどこなのかをあいまいにしたままスタートしてしまうと、結局ゴールにたどり着くまでに無駄に時間やお金がかかったり、遠回りをすることにもなりかねません。

 

これからダイエットに取り組もうと思っているのであれば、不用意にスタートせず、まずは現在、自身の身体がどんな状態なのか、体組成計や血液検査などを駆使し、体重以外の数字も含めて、「現在地」の情報をより正確に把握することです。目的地に向かって歩みを進めるのは、それからです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)
次ページ理由②「引き算」ばかりで「足し算」ができない

※本記事は、平山尚氏と長谷田文孝氏の共著『本気で痩せたい人のためのメディカルダイエット』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

本気で痩せたい人のための メディカルダイエット

本気で痩せたい人のための メディカルダイエット

平山 尚,長谷田 文孝

幻冬舎メディアコンサルティング

「あんなに食事を我慢したのに痩せない」 「エクササイズやヨガ、どれをやっても続かない」 何をしても痩せられず、まだ頑張りが足りないのかも…と自己嫌悪に陥っていませんか? ダイエット専門クリニックの医師が「あ…

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