入院中に大腿骨を骨折した姑。手術は成功した一方で、介護の負担が減ることはなかった。息子夫婦の協力によってつかの間の休息をとることができたものの、癇に障るお見舞いや姑の理解できない言動に今後への不安が募っていく。 ※幻冬舎ゴールドライフオンラインの人気エッセイ『嫁姑奮戦記』を連載でお届けします。

息子夫婦のおかげでほっと一息したもの…

滅多に居ない息子が様子を見に来る。義妹は何かと気を使ってくれ、勤め帰りによく立ち寄り食べ物や花を持って来てくれたり、行き帰りに便利なように自転車を貸してくれたりする。おかげで後々までずいぶん助かる。

 

私も帰ったら帰ったで用事が多い。今年の四月は季節はずれに暑いので草花も一月ほど成長が早い。いつの間にか花を咲かせている。皆も水はやってくれるが私がそれどころではないので、やはり可哀想だ。

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

二日続けて夫が泊まってくれたので、久しぶりに花の世話や姑のタンスの衣類の洗濯、整理などする。私の姉たちが見舞いに来ると言うので夫と交代する。さぞ二晩大変だったことだろう。

 

「おかんの元気なのには俺も付いていけへんわ。一晩中手すり持って起き上がるわ、点滴は抜こうとするわ、手すりの紐は解くわで一時も目が離されへん。俺も寝んと体もたんから、手しっかり縛って寝させてもろたわ」と陽気に言う。

 

深刻に思ったらとてもやっていけないのだ。元々楽天家なのだが。

 

手すりはあらゆる所を紐で縛ってある。そうしないとすぐ外してしまうからだ。右脚を引っ張っているので手すりを外したら逆さ吊りになりかねない。この元気を私たち介護人に分けてほしいものだ。

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嫁姑奮戦記

嫁姑奮戦記

大野 公子

幻冬舎メディアコンサルティング

入院早々骨折、幻覚幻聴、物忘れ……病院を騒がせる姑と嫁のやり場のない戦い。 介護する側、される側、双方には今日に至るまでの歴史がある。 血縁だけでは語れない愛がそこにはあった。 嫁が綴った過去の日記をもとに、「…

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