入院中に大腿骨を骨折した姑。手術は成功した一方で、介護の負担が減ることはなかった。息子夫婦の協力によってつかの間の休息をとることができたものの、癇に障るお見舞いや姑の理解できない言動に今後への不安が募っていく。 ※幻冬舎ゴールドライフオンラインの人気エッセイ『嫁姑奮戦記』を連載でお届けします。

何かしていないと落ち着かないらしい。

外泊が月末の土日と決まった。

 

その前日は朝から落ち着きがなく、病室と家とを間違い、タンスどこに行ったんやろ。服が入ってるのに、今までそこにずっとあったのにおかしいな、とすっかり混乱している。

 

袋がないと言って引き出しの中の物をビニールの袋に入れたり出したりそわそわしている。ベッドのリクライニングが全く作動しないので看護婦さんに来ていただくと、電源がいつの間にか引き抜かれていた。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

こうなると本当に目が離せない。勝手に杖なしで歩こうとしたり、集中治療の装置をいじったりする。何かしていないと落ち着かないらしい。

 

リハビリに連れて行くが、まるでよたよた。先生も驚かれ、危ないし出来る状態ではないと途中で切り上げたほどだった。

 

夜も引き続きひどく、午前二時頃まで意味不明のことを喋り続け、ごそごそとベッドの上で何かしていると思ったら、裸になっている。何をしてるのとあきれながらおむつをはかせパジャマを着せる。

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嫁姑奮戦記

嫁姑奮戦記

大野 公子

幻冬舎メディアコンサルティング

入院早々骨折、幻覚幻聴、物忘れ……病院を騒がせる姑と嫁のやり場のない戦い。 介護する側、される側、双方には今日に至るまでの歴史がある。 血縁だけでは語れない愛がそこにはあった。 嫁が綴った過去の日記をもとに、「…

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