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連載嫁姑奮戦記【第5回】

おむつに手を入れ大騒ぎ…嫁がギョッとした認知症義母の一言

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おむつに手を入れ大騒ぎ…嫁がギョッとした認知症義母の一言

入院中に大腿骨を骨折した姑。手術は成功した一方で、介護の負担が減ることはなかった。息子夫婦の協力によってつかの間の休息をとることができたものの、癇に障るお見舞いや姑の理解できない言動に今後への不安が募っていく。 ※幻冬舎ゴールドライフオンラインの人気エッセイ『嫁姑奮戦記』を連載でお届けします。

あまりにも妄想がひどく眠らない。

またおむつに手を突っ込み大騒ぎ、本人は自分の汚い手を平気で眺めている。晩になるとがぜん元気になり、手すりを持って起き上がりベッドから降りようとする。手すりは紐でしっかり結んであるが、夜にはそれを解こうと必死だ。

 

これで脚が自由に動けるようになったら、もうお手上げだ。全く皮肉な話だが。

 

術後四日頃から車椅子が使用出来るようになり、リハビリも始まる。昼間は車椅子に座らせ、廊下、ロビー、屋上庭園などに連れて行き、なるべく眠らせないようにするが、思惑通りにはいかず眠ってばかり。いつになったら夜眠れるようになるのやら。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

この頃からまたご近所の方たちがぼつぼつお見舞いに来てくださる。いつものように丁寧にお礼を言い、相手に合わせて話している。

 

昼と夜ではまるでジキル博士とハイド氏だ。あまりにも妄想がひどく眠らないので、精神科の診察を受ける。睡眠薬をいただくが、たまに朝まで眠ることもあるし、朝から眠ることも、全く一日中眠らないこともある。先生もこの一定しない薬の効果に戸惑っておられ、私たち家族もこれにはずっと悩まされる。

 

脚の回復は順調にいっているようだ。ただ勝手に動き回らないように一層の注意が必要になってくる。三週目には尿管も取れ、車椅子トイレも使用出来るようになり、夜間はポータブルトイレを部屋に置き使用する。

 

姑は初めて使う温水洗浄便座のことが理解出来ず、どこ押したらおしっこが出るのと言って私をギョッとさせる。

 

日中はそれからもずっと寝させないように車椅子で屋上や病棟内を連れ回る。四方にあるロビーから一円を見渡すことが出来、あれが通天閣よあれが大阪城よとか話しかけて過ごす。屋上庭園は園芸ボランティアの人たちによって季節の花が植えられ、花好きな私たちの心を和ませてくれる。

 

睡眠不足は相変わらずだが、週末二日は夫が看てくれ、間の二日は娘が代わってくれるので本当に助かった。

 

四週目になってから胃痛を訴える。頭もぼーっとするので常用の胃薬と鎮痛剤を買って来てくれと言う。両方とも持って来ていたが勝手にはあげられないので、看護婦さんに相談する。やはり医師の診断がいるので駄目だと言われる。

昭和14年旧満州国新京(現、中華人民共和国吉林省長春市)生まれ。
昭和21年引き揚げ、父の郷里宮崎に住む。
昭和36年宮崎大学教育学部卒。大阪に就職、昭和43年結婚。
介護ヘルパー、地域ネットワーク委員、ボランティア活動などを行うかたわら、通信教育で文章や植物画などを学ぶ。平成29年10月からエッセイ講座を受講。

著者紹介

連載嫁姑奮戦記

嫁姑奮戦記

嫁姑奮戦記

大野 公子

幻冬舎メディアコンサルティング

入院早々骨折、幻覚幻聴、物忘れ……病院を騒がせる姑と嫁のやり場のない戦い。 介護する側、される側、双方には今日に至るまでの歴史がある。 血縁だけでは語れない愛がそこにはあった。 嫁が綴った過去の日記をもとに、「…

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