パニックになったのか。それとも年のせいか。
道々おかしなことを言うので事実と違うと言うと、やっぱりうちおかしいなと言うので、煙草やめたせいだから、そのうち治るからと言うとそうやなと納得した様子である。
その頃私もパートで働いていたので、終わって四時過ぎに行くが、看護婦さんにお聞きすると昨夜も幻覚がひどく全く寝ていないようだと言われる。禁煙のせいではと言ってみると、それはないと否定される。取り上げても勝手に買って吸うし、個室でも隠していたのを吸っているらしいとのこと。危険なためカーテン等も外してある。
翌日姑を訪ねると変わりない様子だが前日と同様おかしなことばかり言う。家の話などを言って聞かせると全く普通に会話している。
ところが、翌日の午後になって再び手提げ袋だけ下げて帰って来る。病院に電話すると、当院では扱いかねるので引き取ってもらいたいと言われる。
自分の家以外に住んだこともないし、他人の家に泊まったこともない人だから他所に来て不安のためパニックになったのか。それとも年のせいか。
不思議なことに肝心の胃の症状はすっかり治って手術の必要もなくなった。
本記事は幻冬舎ゴールドライフオンライン掲載の『嫁姑奮戦記』を再編集したものです。