幻冬舎ゴールドライフオンラインの人気エッセイ『嫁姑奮戦記』。病院を騒がせる姑と嫁のやり場のない戦い。介護する側、される側。それぞれの思いを連載でお届けします。

夕方になると妄想は一層きつくなる。

骨折しているから無理と言っても聞いていないのか、理解出来ないのか、忘れるのか三分ともたない。

 

夕方になると妄想は一層きつくなる。夫が勤めの帰り立ち寄ると、お帰りと陽気に言う。夫に状態を話す。夫は仕事が忙しいうえにややこしい問題を抱え、最近気分が落ち込み気味だ。この事態が追い討ちをかけなければよいが。

 

姑一人が陽気に勝手なことを喋り、揚句には天井にパンが並んでいるなど言い出す。

 

またか。夫も私も、八年前の病院脱走騒動を思い出し、出るはため息ばかり。胃潰瘍でT病院に入院したのだが、そのときの錯乱はすさまじかった。

 

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンライン掲載の『嫁姑奮戦記』を再編集したものです。

 

嫁姑奮戦記

嫁姑奮戦記

大野 公子

幻冬舎メディアコンサルティング

入院早々骨折、幻覚幻聴、物忘れ……病院を騒がせる姑と嫁のやり場のない戦い。 介護する側、される側、双方には今日に至るまでの歴史がある。 血縁だけでは語れない愛がそこにはあった。 嫁が綴った過去の日記をもとに、「…

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