一週間の入院予定が三ヶ月、ショックは大きかった。
便器をさしこんだりおむつを当てるなど、こちらが動かす時は痛がるが、それ以外は一向に痛がる様子もない。片方の足で牽引を外そうと頑張るので、駄目だと叱るが三分もするとまた外そうとする。
その日一日は皮膚科病棟から整形外科病棟への移動やレントゲン、皮膚科の担当医の診察や整形外科の担当医の診察の説明などで忙しかった。
診断の結果は大腿部骨折で、四日後の十日に手術、約三ヶ月の入院が必要と、レントゲン写真を見ながら説明されるのを、気の遠くなる思いで聞く。
一段落して、夫に電話をすると事の次第に驚きながらも周囲を気遣ってか、そうか、とにかく帰りに寄るからと言って切るが、夫の落胆ぶりが電話の向こうから伝わって来る。
一週間の入院予定が三ヶ月、思わぬ事態の展開に我々家族のショックは大きかった。
骨折だけだったら救いもあるが錯乱による異常な言動を見ていると、何だか絶望的な気持ちになる。
今日からは当分泊まり込みになるだろう。錯乱がいつまで続くか予想も出来ないが、一両日中に治るとは思えない。絶えず額を触り点滴の手を動かすので目が離せない。
揚句の果てに、「何でこんなとこに居るの。はよ帰ろ。ベッドから起こして」と言う。