さてはと思い「また、何かやらかしたのでしょうか」
そうこうしているうちに、勤め帰りの夫が様子を見に来る。トイレの戸の開け方がなかなか覚えられないので何度もやらせたり、ナースコールの使い方を再度教えたりして、後ろ髪引かれる思いで帰る。結局、心配で眠れぬ夜を明かした。
病院から何の連絡もないことから、無事だったのだと思い朝一番に詰所を訪ねる。「どうやら無事だったようですね」と声をかけると、どうも詰所の様子がおかしい。お互い顔を見合わせたりしている。
さてはと思い「また、何かやらかしたのでしょうか」と不安な気持ちで尋ねる。「ちょっとお待ちください」と詰所の外で待たされた後、実は昨晩二度もベッドから降りて床に寝ており、その都度ベッドに寝かせたが再び下に寝ていたので、ベッドに寝かせようと抱えたら痛がり、転落して骨折した可能性が大きいとのことであった。
私の不安は残念ながら的中したわけで、これから始まる悪夢の幕開けとなった。