宗教法人の収益事業に旅行業は見当たらないが・・・
知人の旅行会社経営者から「檀信徒を対象に本山への団体旅行を企画してはどうか」とすすめられました。実施は半年に1回の予定です。それほど大きな収益は見込んでおらず、場合によっては「赤字も覚悟」なのですが、布教活動の一環ともなるので前向きに検討しています。
ここで気になるのが、こうした取組みが収益事業となるかどうかです。34業種のなかに旅行業は見当たらないのですが、いかがでしょう。
檀信徒に限定したものなら課税義務は生じない
ご質問にあるとおり、宗教法人が行なう収益事業には34業種が指定されています。
たしかに、旅行業は対象業種のなかにはありませんが、旅行会社が「旅行代理店」といわれるように、代理業ないし請負業に該当すると考えることができます。よって、普通の旅行会社と同様の事業を営んでいれば、当然、法人税が課されることになります。
しかしご質問のケースでは、広く一般から集客しているわけではありません。檀信徒のみを対象としているので、代理業ないし請負業とまではいえず、法人税はかからないと考えます。
これとは別に、「旅行業を営むには登録が必要ではないか」という点も気になるところですが、不特定多数を対象にしているわけではなく、年に2回程度しか実施していないことを勘案すれば、こちらも問題ないと思われます。安心して取り組まれるといいでしょう。
ひとつアドバイスするなら、この事業については別会計にしておくことをおすすめします。お寺の会計とは別にしてきちんと管理しておけば、事業実態の把握が容易で、万が一、大きな赤字になっても適切な手を打つことができます。ご検討ください。