今回は、宗教法人が所有する土地に建つ貸家が空き家になった場合の固定資産税について見ていきます。※本連載は、税理士・公認会計士であり、宗教法人からの税務相談に数多く対応している山下勝弘氏の監修書籍、『神社・仏閣……すべての宗教法人のための収益UP&節税対策パーフェクト・マニュアル』(すばる舎リンケージ)の中から一部を抜粋し、宗教法人の収益事業にまつわる課税について解説します。

税制改正によって空き家の固定資産税が増額される?

地方都市に住む神職です。父の代から、神社に隣接した法人所有の土地に貸家2棟を建て収益事業を営んできました。

 

ところが、3年ほど前に相次いで借り主が転居して以降、2棟とも空き家になってしまいました。税制が変わり空き家の固定資産税が大幅に増額される、とも聞こえているので心配です。

一律に課税されるわけではないが、売却の検討も一手

人口が減少傾向にあるうえ、都市への集中も進み、各地で空き家問題が深刻化しています。空き家は、経済面はもちろん地域にとっては放火や倒壊などの危険もあります。そのため、少しでも減らそうと、いろいろな措置が取られるようになっています。

 

税金に関していうと、従来、空き家であっても「住宅用地の軽減の特例」を受けることができました。具体的には、住宅1戸当たり200平方㍍までは6分の1に、200平方㍍を超え家屋の床面積の10 倍までは3分の1に固定資産税が減額されました。

 

しかし、いまは「特定空き家」に認定されると、この特例の対象から外れます(平成27年度の税制改正)。つまり、6倍になるケースもあるわけです。

 

特定空き家は、放置すれば倒壊の恐れがあったり、衛生上有害だったりするケースが該当します。そうであるなら、ご質問者の貸家の固定資産税がすぐに増額されるというわけではありません。

 

それでも、「いずれは」ということも考えられるので、修繕のための資金を用意するなり準備は進めておいたほうがいいでしょう。

 

また、これを機会に更地にして売却することを考えてもいいかもしれません。全快の記事でご説明したように宗教法人で10年以上保有している不動産については譲渡益が非課税です。

 

貸家経営の難しさも増しています。前向きに売却を検討されてもいいかもしれません。

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    本連載は、2016年2月24日刊行の書籍『神社・仏閣……すべての宗教法人のための収益UP&節税対策パーフェクト・マニュアル』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    神社・仏閣…… すべての宗教法人のための 収益UP&節税対策 パーフェクト・マニュアル

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    山下 勝弘 監修

    すばる舎リンケージ

    われわれ税理士や会計事務所に寄せられる宗教法人の方々からの質問として多いのは、「支出入の扱いは法人か個人か」「相続について」「土地活用について」この3種類です。 宗教法人は「本来の宗教活動による収益」については…

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