毎年恒例、幻冬舎ゴールドオンラインの相続特集が開幕! 本連載では税理士法人田尻会計の税理士・古沢暢子氏が相続トラブルについて解説していきます。今回は、法人の特定資産の買換え特例を使った課税の繰り延べによる税金対策について、見ていきましょう。※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

製造業から不動産賃貸業へ…意図せず進んだ事業承継

当初は、製造業を自分の代で廃業し、折を見て会社自体も清算するつもりだったAさんですが、工場売却から買換え資産取得まで嵐のように過ぎた2年間を通して、図らずも次の代へ事業承継を進めていく結果となりました。

 

製造業から不動産賃貸業へ、業種は変わりましたが、Aさんが築き上げた会社の歴史と財産はお子様たちに引き継がれ、先代から相続により取得した土地も収益を生む財産として活用できることとなったのです。

 

今回の事例では、法人が特定資産を買い換えた際の特例をご紹介しましたが、個人が事業用資産を買い換えた時にも同様の特例が設けられており、売却益の80%を将来に繰延べることができます。地方の収益率の悪化した賃貸アパートを売却して都内の収益率のよい物件に買換える、更地の駐車場を売却して賃貸アパートを購入するなどの例が考えられます。

 

尚、法人・個人ともに長期(10年超)所有事業用資産の買換えについては、令和5年3月31日までの譲渡について適用されます。

 

現在Aさんの会社ではお子様たちも役員となり、給料支給や積立保険加入を通して所得分散をはかるなど、相続と事業承継対策を続けています。そしてAさんは、管理会社との入退去時の連絡や、リフォーム等の指示、時間があれば賃貸アパートまで出かけて清掃…と、やはり忙しく働いているのでした。
 

 

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