工場を売却したら、多額の税金がかかってしまい…
社長であるAさんが、昭和43年に設立した鋼材加工会社は、公共工事を行う大手企業との取引も増えて大きくなり、都内に自社工場を所有する立派な会社に成長しました。
Aさんは5人のベテラン工員とともに現場で作業をすることを何よりの生きがいとしている社長でしたが、65歳になったとき、市場の変化や工員の高齢化という現状を考え、次の代に経営を承継せず、事業を縮小していくことを決めました。
ちょうどそのころ、隣の敷地で同じく製造業を営む会社の社長から、工場敷地を一緒に売却しようという提案がありました。Aさんの工場敷地は隣の会社の工場敷地と合わせると1,500㎡程度になります。
当初は5年くらいかけて事業をたたむことを考えていたAさんですが、工場とその敷地を売却して手元に資金が残れば、その資金で次のステップを考えてみたいとも思うようになりました。工員の再就職先や棚卸資産の処分など2年の準備期間を経て、無事に工場とその敷地を売却することができました。
その後会社の決算申告が近づき、担当者から決算予測の説明を受けたところ、一緒に工場を売却した社長と話をするなかで、その納税額に大きな差があることがわかったのです。
Aさんが私たちの事務所に相談に見えたのは、このようなときでした。
会社の資産内容と、Aさん自身の財産状況を把握した上で、著者は法人の特定資産の買換え特例を使った課税の繰り延べによる対策を提案しました。
法人の特定資産の買換え特例とは?
法人の特定資産の買換え特例とは、収益率が低下した不動産を収益率が高い不動産へ買換える場合など、土地政策に適合する特定の事業用資産の買換えを行った場合に、一定の要件のもとで課税の繰り延べ措置として圧縮記帳を行う制度です。
特例措置の対象となる買換えにはいくつかの種類がありますが、最もよく活用されるのは、長期所有資産の買換え(所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物又は構築物から国内にある一定の土地等、建物若しくは構築物等への買換え)措置です。
買換える資産は原則として売却日を含む事業年度中に取得し、取得日から1年以内に事業に使用する(見込みを含む)こと、買換える資産が土地等の場合には、その面積が300㎡以上であり、売却した土地等の面積の5倍以内の面積部分に限られることなどの要件が規定されています。
なお、決算日近くに資産を売却することなども考慮し、資産を売却した日を含む事業年度の前後1年以内(特別な事情がある場合には税務署長が認定した期間内)に取得した資産も、買換える資産の対象となっています。
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