現代日本において、多くの人が悩む「お墓」の問題。お墓は財産の一つ(正確には祭祀財産)で、子孫に承継されることが前提。民法上、承継者を決めることが義務付けられています。しかし、少子高齢化、単独世帯の増加、地方の過疎化といった問題を抱える現代日本。「そもそも引き継ぐ人がいない、決まらない」という場合、どうすればよいのでしょうか? ※本連載は、樺山玄基氏の著書『令和時代のお墓入門』(幻冬舎)より一部を抜粋・再編集したものです。
「墓じまい・改葬」の手順
お墓を今自分たちが住んでいる場所に移すなどで、改葬が必要な場合は、今のお墓を墓じまいする手続きと、新しい墓地へ改葬する手続きが必要です。おおむね次のような手順で進められます。
1.家族、親族との相談
改葬する理由や改葬先の埋葬の仕方などを話し合いましょう。
2.新しいお墓を決定
改葬先の埋葬の仕方が決まったら新しいお墓を探します。
3.墓地管理者と相談
今あるお墓(または墓じまいをする墓)の墓地管理者に改葬の相談をします。
4.改葬の諸手続き
改葬のための書類作成や手続きを行います。
5.遺骨を取り出す、土地を更地にする(墓じまいの場合)
改葬許可証を提示し、遺骨を取り出します。なお、遺骨を取り出す際、寺院によっては閉眼法要という法要を行うこともあります。
6.遺骨の安置
取り出した遺骨を自宅などに安置します。
(以下は、新しいお墓)
7.開眼法要、納骨法要
改葬先が寺院の場合、宗教的儀式として行うことがあります。永代供養墓では、希望する場合に行うことが多いです。
8.納骨
新しいお墓に遺骨を埋葬します。
樺山 玄基
株式会社エータイ 代表取締役社長
寺院経営のコンサルティングを手掛ける同社で、お墓の施工や管理などを総合的に提案。特に永代供養墓のコンサルティングにおいては業界の先駆者的存在である。
「子どもがお墓を受け継げない」「従来のお墓の形が合わない」という昨今の風潮から、寺院が遺族に代わって永続的に供養する「永代供養」を将来の新しいお墓の形態と見据え、時代にマッチした供養とお墓のあるべき姿(概念)を構築。
事業ブランドである「永代供養墓普及会」を展開し、提携寺院は首都圏を中心に60ヵ寺以上(2020年現在)にのぼる。
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連載迫り来る多死社会…あなたの「お墓」は大丈夫?令和時代のお墓入門