認知症の父が「トイレットペーパーを絶対流さない」絶句の理由

「親が認知症で要介護」という境遇の人は今後、確実に増加していくでしょう。そして、介護には大変、悲惨、重労働といった側面があることも事実です。しかし、介護は決して辛いだけのものではなく、自分の捉え方次第で面白くもできるという。「見つめて」「ひらめき」「楽しむ」介護の実践記録をお届けします。本連載は黒川玲子著『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』(海竜社)から一部を抜粋、編集した原稿です。

認知症父が語る話、真実は藪の中なのだが

本当にあったかもしれない話

 

終戦が近づくと、多くの高齢者が戦争の話で盛り上がるが、わが家のじーじの話は壮大だった!

 

黒川玲子著『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』(海竜社)
黒川玲子著『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』(海竜社)

「お前は、マッカーサーに会ったことはあるか?」

 

マッカーサー? 会ったことなんかあるわけないじゃん! と言いたいところだが、

 

「テレビでしか見たことないよ」
「そうだよな。そんな簡単に会える人ではないからな。実はな、今まで秘密にしておいたが、俺は、マッカーサーと帝国ホテルで一緒に飯を食ったことがあるんだ」

 

ひえ~、話がすごすぎる!

 

「帝国ホテルで階段の修理をしていた時にな、マッカーサーの手下がきて、『あなたはペニシリンの作り方を知っていますよね』と尋ねられたから、『そうだ』というと、『マッカーサー元師が、直接話を聞きたいとおっしゃっています』と言われてな。国家機密だからそう簡単にしゃべるわけにもいかないが、相手がマッカーサーだから、これはなにかあるぞ? と思って会ってみることにしたんだ」

 

お! 出た。じーじお得意の国家機密とペニシリン。帝国ホテルで階段の工事をしていたってところが気になるが、そんなことはどうでもいい。なにせ、マッカーサーと食事をしたと言っているんだから、なんだか面白そうなので真剣に話を聞いてみることにした。

 

「それで、何を聞かれたの?」
「……わからん」

 

へ? わからんだとぉ。じーじの最近の口癖は「わからん」なので、違う質問にしてみることにした。

 

「何を一緒に食べたの?」
「たしか、フォークとナイフを使って食べたなあ? なんだったかなあ? ビフテキかなあ? わからん」
「緊張したでしょう」
「……わからん」

 

結局、「わからん」を連発するだけのじーじ。

 

後日、ヘルパーさんから、「黒川さんは、マッカーサーと帝国ホテルで一緒にお食事を召し上がったことがあるんですってね」と言われたので、どうやらあちらこちらで吹聴しているらしい。

 

そういえば、満州国皇帝の溥儀にも会ったことがあるって言ってたなぁ~と思いつつ。真実は闇の中なのであった。

 

黒川 玲子
医療福祉接遇インストラクター
東京都福祉サービス評価推進機構評価者

 

 

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医療福祉接遇インストラクター
東京都福祉サービス評価推進機構評価者

埼玉県生まれ。博報堂勤務を経て、埼玉県内の介護事業会社勤務。医療福祉接遇インストラクター、東京都福祉サービス評価推進機構評価者。2001年より成長期の大手介護事業会社において、広告宣伝室室長として、社外向けの広報誌の作成、入居者促進業務に携わる。
2015年、株式会社ケー・アール・プランニング設立。編集プロダクションとして介護・福祉を専門とした雑誌の編集を行う傍ら、接遇マナーインストラクターとして、介護付有料老人ホームやデイサービス等で介護の現場に即した研修を行っている。

著者紹介

連載見つめてひらめく介護のかたち「楽しむ介護」実践日誌

認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌

認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌

黒川 玲子

海竜社

わけのわからない行動や言葉を発する前に必ず、じーっと一点を見据えていることを発見! その姿は、どこか遠い星と交信しているように見えた。その日以来私は、認知症の周辺症状が現れた時のじーじを 「認知症のスイッチが入っ…

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