施設入居している母親の要介護認定の更新の認定調査があった。都合が悪くて同席できなかったところ、1カ月半後送られてきたのは「要介護5」の判定。「要介護5」といえば、「食事や排せつ、入浴などの日常生活全般において全面的な介助が必要である」という状態。不服申し立てし、再調査した結果とは。連載「見つめてひらめく介護のかたち『楽しむ介護』実践日誌」の著者の黒川玲子さんが介護の日々を現場報告する特別編をお届けします。

介護度認定調査で「要介護度5」の判定に激怒の理由

健康保険に、有効期限があるように、介護保険の要介護認定にも有効期間がある。健康保険の場合は有効期限が切れる少し前になると新しい保険証が送られてくるが、要介護認定は、更新の手続きをしないと、介護保険のサービスが使えなくなるのである(厳密にいえば、全額自己負担をすれば使える)。

 

更新時期が近づくと、ケアマネさんから「もうすぐ更新ですと」と連絡があるので助かっているが、この更新が結構厄介なのである。健康保険証のように自動的に更新されず、更新をするには認定調査をしなければならない。

 

認定調査には、自治体から委託された認定調査員による、本人の聞き取り調査があり、「あれはできるとかこれはできない」など現状を把握する、その後、医師の意見書なども加えて「あなたは要介護〇」ですよという結果がでるという流れである。

 

介護保険の要介護認定にも有効期間があり、更新の手続きが必要だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
介護保険の要介護認定にも有効期間があり、更新の手続きが必要だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ばーばの更新申請のことである。いつもは聞き取り調査に同席しているのだが、先方から提示された、いくつかの日程はすべて仕事の予定が入っていた。調整はしてみたもののなかなか、折り合いがつかず同席を断念。しかたがないので、入居しているホームのケアマネさんに立ち合いをお願いした。

 

一カ月半後、郵送されてきた介護保険証を開けてびっくり。なんと結果は1段階上がって「要介護5」。

 

要介護は1~5までに分かれていて、「要介護5」は一番重い介護度だ。

 

「要介護5」といえば、「食事や排せつ、入浴などの日常生活全般において全面的な介助が必要である」という状態。つまり、寝たきりの状態の方や、意思疎通がほとんでできない方の場合が多いはずなのだが。私の頭の中は「?」マークでいっぱいになり、だんだん頭にきた!

 

頭にきた理由を説明する前に、介護保険の説明をしよう。介護保険のサービスは単位数で利用する仕組みになっている。

 

例えば、デイサービスを1回利用したら900単位、お風呂に1回入ったら50単位と言う具合だ。支給される単位数は、要介護4で30,938単位、要介護5で36,217単位(令和元年10月区分支給限度基準額)。要介護度が高い方が使用できる単位数も多くなっている。

 

在宅の場合は、介護度が高い(単位数が多い)方が、デイサービスやショートステイ、ホームヘルプなど必要に応じて、ケアマネさんにケアプランを組んでもらっていろいろなサービスを使えるので、家族は助かるし、利用した分だけを支払えばよいシステムだ。

 

しかし、施設に入居している場合は、介護度別に支給された単位数をすべて施設内で使いきるという仕組みになっているので、家族からすれば介護度が低い方が、支払う金額が低くて済むという訳だ。

 

次ページ不服申し立て、要介護度認定のやり直しの結果

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