
一般企業では既に始まっている時間外労働の上限規制が、2024年4月から医師にも適用される。勤務医の時間外労働時間を「原則、年間960時間までとする」とされているが、その実現は困難ではないかと指摘されている。その「医師の働き方改革」を実現した医師がいる。「現場のニーズに応え、仕事の流れを変えれば医師でも定時に帰宅できる」という。わずか2年半で、どのように医師の5時帰宅を可能にしたのか――、その舞台裏を明らかにする。
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本院で注目されている静岡病院で働くことが励みに
「将来、役に立ちそうだから、是非研修をしておきたい」と思わせるような糖尿病内科のローテーションプログラムは、予想以上に研修医に評判で、最近では3年連続で静岡病院の研修医が当科に入局してきてくれる程となっています。
こういった取り組みについては、厚生労働省関連のWebサイト「いきいき働く医療機関サポートWeb(いきサポ)」に「糖尿病内科における初期研修医の労働環境整備」として、掲載していただいております(第1回参照)。
糖尿病内科の「働き方改革」は労働時間の短縮以外にも、大きな成果を生み出しました。
それが「医局員たちのマインドの変化」です。

この連載の初回にも書いた通り、静岡病院は元々、私を含め多くの医局員が赴任をためらってしまうような派遣先だったのです。それが、着任して3年目からは医局員全員が残業せずに5時に帰宅できるような「働きやすい環境」へと変身を遂げたことは、大学本院の糖尿病内科の医局全体にも伝わっていきました。
さらに、伊豆ライフを満喫できたり、平日でも小さな子どもと一緒にお風呂に入れるといったQOLの高さが評判になって、それまでとは一転。「新入医局員たちにとって、最も行きたい派遣先」となっていったのです。
このように「本院の医局内でも注目されている病院の診療科で働いている」ことが、医局員の励みとなり、さらにモチベーションを高める要因にもなったように感じます。
若手ほどコミュニケーションスキルへ高い関心
私が吹奏楽部に所属していたことはご紹介しました。私の吹いているチューバはかなり特殊な楽器なので、医学部に入ってくるようなエリートで演奏経験のある人はなかなかいません。ましてや、そのマニアックな楽器を個人で所有している医者も本当に珍しいようです。
このため、OBではあるのですが、現役生にチューバ奏者がいないこともあって、順天堂交響楽団という、母校のオーケストラ部の定期演奏会に、ちょこちょこ呼ばれて一緒に演奏会に出演させてもらう機会があります。定期演奏会前の練習には今でも顔をだしていることから、自然と現役の医学生や看護学生たちとも話す機会があります。
近年、彼らと話していて強く感じるのは、医学生にしても研修医にしても、コミュニケーションスキルについて大変興味を持っている人が多いということです。
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