執筆依頼は「マッカーサーと帝国ホテルでのこと」
じーじ、締め切りに追われる
ある日曜日、お昼寝から起きてきたじーじが、突然びっくりするようなひと言を発した。
「おい、原稿用紙を買ってきてくれ」
「いいよ、でも何に使うの?」
「GHQのことと、マッカーサーと帝国ホテルでご飯を一緒に食べたことを執筆してくれと頼まれたからだ!」
へ! 執筆? マッカーサーと帝国ホテルでご飯を食べただとぉ?
「本当に?」などと聞いてみたらすぐに、怒りん坊星人に変身するだろうから、ここはひとまず、原稿用紙を買いに行くことに。
原稿用紙を買ってきてあげたら、即! 執筆を開始。誰に頼まれたの? と聞いたところ
「NHKだ! 締切は〇月×日だからな。急がなくては」
だそうだ……すっげ~。締切日まで決まってる。
しかし、NHKとはこりゃすごい。どこからNHKが出てきたのかと思ったら、数年前にじーじが取り寄せた、NHKの通信講座の自分史の案内DMがじーじの机に置いてあった。
どうやらNHKの通信講座→NHKから執筆を依頼された。ということになったらしい。
そこから数日、ご飯を食べている時以外は、執筆活動に専念。夜な夜なカリカリカリカリ鉛筆を走らせるじーじ。夜遅くまで執筆活動をしているものだから、デイサービスでは、ほぼ、居眠りの毎日らしく、スタッフさんが「最近昼夜逆転されているようですが」と心配してくださるほど。
「あんまり根を詰めると、疲れるよ」と優しい言葉をかけると「〇月×日の締切に間に合わないから」と聞く耳を持たないので、放置することに。
数週間後、やっと書きあがった原稿を準夜勤ちゃん(私の娘)に渡し「ワープロ(パソコンのこと)で清書してくれ」とじーじ。
今まで私にも読ませてくれなかったので、どんな内容か楽しみにしていたところ、清書した原稿を受け取ったじーじは「だめだ、これでは検閲に引っかかって墨で黒く塗りつぶされる箇所が多すぎる……」と一言。
また、その日から執筆活動を始めるのであった。どうやら、じーじ曰く、執筆した原稿は本になり、出版した暁には、NHKへのテレビ出演も決まっているらしい。今晩も、カリカリカリカリ、じーじの鉛筆の音が響くわが家なのである。
黒川 玲子
医療福祉接遇インストラクター
東京都福祉サービス評価推進機構評価者
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