「痴漢」はどの都道府県の条例でも禁止行為
<あなたを守る法律>
【刑法】第176条 強制わいせつ
13歳以上の者に対し、暴行、または脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6ヵ月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「痴漢罪」という犯罪はありません。しかし各都道府県の条例で、禁止行為として定められています。たとえば東京都の条例の場合、「公共の場所、または公共の乗り物において、衣服そのほかの身に着ける物の上から、または直接に人の身体に触れること」と規定されています。
罰則内容も各都道府県で異なりますが、たとえば東京都の場合、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
痴漢がエスカレートして、「下着の中に手を入れて女性器をさわる」などの場合は、刑法の強制わいせつ罪となります。
痴漢被害で泣き寝入りしないために…パターン別の対処
●満員電車の場合
満員電車では、誰がさわっているのかわかりにくいこともあります。また「この人痴漢です」と言っても、「違う」と言われた場合、目撃者もいなければ結局逃げられてしまいます。
できればさわってくる手を引っかくなどして、犯人の手に証拠を残すようにしましょう。被害者の爪に加害者の皮膚片があれば、DNA鑑定ができる可能性があります。自分のかゆい部分をかいても、爪の間に皮膚片は入るので、強くひっかく必要はありません。なお、安全ピンで刺すなどは、凶器とも考えられ、過剰防衛となる可能性があるためおすすめできません。
また衣服には犯人のDNAが残存している可能性があります。犯人がさわった部位をさわらないことが重要です。ただし、満員電車の痴漢では、いつどのようにDNAがついたのか判然としないので、証拠の価値は必ずしも高くありません。
●携帯電話を操作していた場合
できれば加害者の顔や手を撮影しましょう。逃げられても、顔が残っていれば後から捜査が可能になります。また、撮影すれば、発生場所や日時の特定に役立ちます。
●深夜の帰宅途中などの場合
すぐに110番をしましょう。コンビニなどに入り、お店の人に110番を頼んでもかまいません。犯人を捕まえられた場合、被害者は、警察から被害状況の事情聴取を受け、供述調書を作成します。また、「どのように被害にあったか」という再現を、被害者に見立てた人形を使って行います。ただし、加害者が逮捕されるかどうかは場合によります。示談が成立して不起訴になる場合もあれば、略式起訴で罰金、正式裁判になる場合もあります。
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