「遺言書=絶対遵守」ではない
では、遺言書があれば遺言書通りスムーズに承継できるかというと、そうとも限りません。
●相続人全員の同意で遺言書と異なる承継方法を決めることが可能
●相続人の一人から「遺言の無効」を主張されることもあり得る
●新たな遺言書が見つかることもある
遺言書は最新のものが有効なため、たとえば、今日遺言書を作成しても翌日に異なる内容の遺言書を作成した場合は、その翌日の遺言書が優先されます。
遺言の実行を困難化させる「相続人にまつわる問題」
相続人にまつわる問題には次のようなものがあります。
【ケース1】相続人中に認知症や障がいなどで判断能力が欠如している者がいる
【ケース1の問題点】
●遺産分割協議を相続人の代わりに代理する「成年後見人」の選任申立てを行い、その後、成年後見人と他の相続人で協議する。
●選任申立て手続きには数週間から数ヵ月かかる場合もあり、また協議がまとまらない場合はさらに時間がかかる。
【ケース2】相続人間で紛争性がある
【ケース2の問題点】
●話がまとまらない場合や、相続トラブルがあった場合は、裁判所で調停をすることになる。手続きが長期化し、当事者の心身をともに疲れさせる。
【ケース3】相続人の中に行方不明者がいる
【ケース3の問題点】
●行方不明者に代わり協議する「不在者財産管理人」の選任申立てを行い、その後、不在者財産管理人と協議を行う。
●選任手続きには数ヵ月かかる場合があり、また協議がまとまらない場合はさらに時間がかかる。
【ケース4】相続人中に海外居住者がいる
【ケース4の問題点】
●海外在住者には、特有の書類(宣誓供述書やサイン証明書)の提出が求められたり、話し合いのため何度か帰国する必要があるなど、手続きが長期化するおそれがある。
【ケース5】被相続人が外国人
【ケース5の問題点】
●相続手続きでは出生から死亡までの戸籍を集める必要があるが、外国では戸籍制度のない国が大部分のため、手続きが難しくなる。
上記の場合、相続手続きが長期化すると、その間、財産は共有状態になり凍結します。また、相続税を納める必要がある場合に、遺産分割が完了しないと、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減など、受けられるはずの優遇措置を受けられなくなることもあります。
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