今年の冬はノロウイルス、インフルエンザのみならず、新型コロナウイルス感染のリスクも懸念されています。それぞれのウイルスを同時に除染することは可能なのでしょうか。本記事では、ダイヤモンドプリンセス号の除染作業に従事した、特殊清掃のプロ集団である「特掃隊」の連載「HOW TO コラム」より、新型コロナウイルス、ノロウイルス、インフルエンザそれぞれの感染経路や消毒方法について見ていきます。

新型コロナ、インフルエンザ…感染経路は似ている?

まずは、ウイルス毎にどのような特徴があるのか?

 

その生態を知る事で対策方法が見えてきます。ノロウイルス・インフルエンザの感染経路について、厚生労働省のHP(参考:感染経路別ノロウイルス感染集団発生の推移/病原微生物検出情報 IASR)に細かい記載がありましたので、記載します。

 

【ノロウイルス】

(1)患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合

(2)家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合

(3)食品取扱者 (食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合

(4)汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合

(5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合

 

【インフルエンザ】

 

(1)飛沫感染 感染している人のくしゃみや咳 (せき)で出るしぶきを吸い込むことによる感染。くしゃみや咳 (せき)を浴びる距離 (2メートル程度)にいる人は感染の危険性が高い。

(2)接触感染 感染している人の唾 (つば)や鼻みずが手から手へ、あるいはドアノブやつり革などを介して手に付着することなどによる感染。

 

また新型コロナウイルスについては、厚生労働省が感染リスクが高まる「5つの場面」として「①飲食を伴う懇親会等」「②大人数や長時間に及ぶ飲食」「③マスクなしでの会話」「④狭い空間での共同生活」「⑤居場所の切り替わり」をあげているように、飛沫感染、接触感染によって拡大することが知られています。

 

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ノロウイルス、インフルエンザウイルス、新型コロナウイルスは同じような感染経路です。感染経路が同じであれば、清掃方法や注意点も同じなのです。つまり、冬のコロナ対策は、ノロウイルス、インフルエンザウイルスと同時に行うことが望ましいといえます。

 

「同時に対策」は可能?(画像はイメージです/PIXTA)
「同時に対策」は可能?(画像はイメージです/PIXTA)

「ノロ、インフル、新型コロナ」を同時に除染する方法

では冬場に蔓延するノロ、インフルエンザと新型コロナを同時に対応する方法をご紹介します。


まずは新型コロナウイルスを不活化する方法です。大きく分けて次の3つになります。

 

・アルコール

・次亜塩素酸ナトリウム

・加速化過酸化水素 (界面活性剤:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)

 

次にインフルエンザウイルスを失活化する方法です。

次ページインフルエンザウイルスを失活化する方法

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