浸水は「家の基礎」と深く関係している
2018年の西日本豪雨では、床上浸水・床下浸水の被害はおよそ35,000棟。2019年の台風19号では、西日本豪雨を上回る7万棟近くが被害にあったと言われています。こうした被害を防ぐためには、水を侵入させないことが一番重要です。
私たちが長年、水害消毒のご依頼をいただいているなかで、注意すべきポイントは「ベタ基礎」と呼ばれる家の土台部分だと考えています。
家の基礎は主に2種類あり、「ベタ基礎」と「布基礎」に分けられます。お住まいの基礎により水害対策の方法が変わるため確認しておきましょう。
ベタ基礎は防湿基礎とも呼ばれており、床下全体にコンクリートを打って作る工法になります。最近では、ベタ基礎で造られている家がほとんどです。ベタ基礎メリットとしては、以下のような内容が挙げられます。
・建物の重さが分散されるため、高い安定性がある
・地面からの上がってくる湿気や白アリを予防できる
ただし、水位が低い場合、ベタ基礎のほうが被害は少ないのですが、一定の水位を超えるとベタ基礎のほうが被害が大きくなってしまいます。
布基礎は、建物の壁に沿ってコンクリートを打って作る工法です。縦に伸びる「基礎梁」の部分と、横に広がる「フーチング」の二つからなる逆T字型の基礎で支えます。日本の木造建築住宅では、布基礎が採用されていました。布基礎は鉄筋やコンクリートなど、ベタ基礎と比べると使う資材が少ないため、コストが抑えられることがメリットです。
しかし、家の重さが集中してしまったり、建物が古くなるとバランスが崩れてしまったりする可能性があるため、布基礎の家はベタ基礎よりも軒数より少ないです。
また床下が土の布基礎で浸水が起きた際、ベタ基礎のように汚水を水で洗い流せないため、対応に時間がかかります。