「ダンプカー持込みの運転手と認める。」
<参考裁判例>資料の提出拒否のため賃金センサスで収入を推定した
宇都宮家審平成8年9月30日(認知後の養育費)家月49巻3号87頁
男性(義務者)と(重婚的)内縁の妻(権利者)の間に子ができた。義務者(父)が子を認知した。その後、権利者(母)が養育費請求の調停を申し立てた。しかし義務者は、調停に一度も出席せず、再三の出頭勧告や調査官調査にも応じなかった。そこで、調停は不成立となり審判に移行した。
裁判所は、「相手方(義務者)については、家族状況、職業、収入、支出などに関する資料が全く得られない。……相手方の職業は、申立人(権利者)の陳述によりダンプカー持込みの運転手と認める。またその収入については、平成6年の「賃金構造基本統計調査報告」(賃金センサス)中の「営業用大型貨物自動車運転者(男)及び営業用普通・小型貨物自動車運転者(男)50~54歳」企業規模別及び都道府県別に拠ることとする。……持込み運転手であることを考慮して年間賞与などは含めないこととし」と判示した。つまり、賃金センサスを基にして義務者の収入を推認した。
三平 聡史
弁護士法人みずほ中央法律事務所・司法書士法人みずほ中央事務所 代表弁護士
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