相続というのは、プラスの財産だけを引き継ぐのではありません。被相続人の財産状態「すべて」を相続するのですから、マイナスの財産も相続することになります。 ※本記事は、青山東京法律事務所の代表弁護士・植田統氏の書籍 『きれいに死ぬための相続の話をしよう 残される家族が困らないために必要な準備』(KADOKAWA)より一部を抜粋したものです。

甥と姪に届いた衝撃の手紙。「どういうこと!?」

それから、半年たったある日、拓也さんと静香さんのもとへ、商工ローンから手紙が届きました。

 

 

「3000万円を来月末までにお支払い願います」という文面です。

 

拓也さんと静香さんは驚いて、商工ローンに電話をすると、「あなた方のおじさんの鈴木四郎さんが半年前に亡くなりました。息子さんの進一郎さん、お兄さんの三郎さんが相続放棄をしたので、四郎さんの3000万円の借金は、あなた方に相続されています」との回答が返ってきました。

 

拓也さんと静香さんには、まさに青天の霹靂です。どういうことなのか理解できず、田舎の三郎おじさんに何年ぶりかで電話をしてみることにしました。

 

三郎おじさんに聞いてみると、四郎おじさんが亡くなったのは、本当の話のようです。そして、進一郎さん、三郎おじさんが相続を放棄したことも確認できました。二郎さんのところは、子供がいませんから、代襲相続するものがいません。すると、一郎さんの子供である自分たち2人が代襲相続人ということになるようです。

 

拓也さんと静香さんは、ようやく事の顛末がわかり、なぜ自分たちに商工ローンから手紙が送られてきたのか、その理由がわかりました。

 

でも、ほとんど会ったこともない四郎おじさんの借金を相続するなど、言語道断です。2人は、弁護士さんに相談にいきました。

 

得られた回答は次のようなものでした。

次ページ「どうすればいいんですか!?」焦った2人への回答は…
きれいに死ぬための相続の話をしよう 残される家族が困らないために必要な準備

きれいに死ぬための相続の話をしよう 残される家族が困らないために必要な準備

植田 統

KADOKAWA

家族の本当のリスクは、「死後」にあった。 「兄弟が少ないから相続は簡単」は大間違い!相続税増税も待ったなし!口約束だけでは絶対に円満に終わらない、弁護士が見た実際の「争続事情」。 知らないと確実に損をする、相続…

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