相続というのは、プラスの財産だけを引き継ぐのではありません。被相続人の財産状態「すべて」を相続するのですから、マイナスの財産も相続することになります。 ※本記事は、青山東京法律事務所の代表弁護士・植田統氏の書籍 『きれいに死ぬための相続の話をしよう 残される家族が困らないために必要な準備』(KADOKAWA)より一部を抜粋したものです。

「どうすればいいんですか!?」焦った2人への回答は…

「まず、相続は負の財産についても起こります。そして、相続の放棄は、相続を知った時から3か月以内にしなければならないと規定されています。あなた方2人の場合には、四郎おじさんの財産を相続することになったのを知ったのは、商工ローンの手紙が来た時と解されますので、その日から3か月以内に相続放棄の手続きをとればいいんですよ。ご心配におよびません」

 

 

さっそく、2人は、この弁護士さんに頼んで、相続放棄の手続きを家庭裁判所でとり、事なきを得たのです。

 

今見てきたように、相続は相続人が放棄をすると、思いがけない人に相続権が回ってきます。それがプラスの財産でお金がもらえる場合はよいのですが、こうして相続がたらい回しにされるのは、マイナスの財産が残っているときなのです。

 

普段からちゃんと親戚づきあいをしておかないと、自分が知らないうちに負の遺産を押し付けられているということが起こりうるのです。

 

 

植田 統

青山東京法律事務所 代表弁護士

 

 

きれいに死ぬための相続の話をしよう 残される家族が困らないために必要な準備

きれいに死ぬための相続の話をしよう 残される家族が困らないために必要な準備

植田 統

KADOKAWA

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