人口減少の局面になり、厳しさが増す不動産投資。今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資には欠かせない要素である「人口」や「不動産取引の現状」などをもとに検討していきます。今回紹介するのは、京成電鉄京成本線23区内の駅です。

 

次に1K・1DKの駅徒歩10分圏内の平均家賃をみていきます。沿線で最も家賃が高いのは、「日暮里」で8.1万円。JR駅から離れている「京成上野」7.01万円よりも高くなっています。今回、物件数が少なかったことも影響し「京成関屋」で家賃の高まりがみられますが、おおむね都心から離れるに従い家賃も下落していき、「町屋」では6万円台に、「堀切菖蒲園」では5万円台に。JR駅とともに繁華街を構成する「京成小岩」で再び6万円台になりますが、沿線を通じてリーズナブルな家賃水準です。20代の若手会社員でも適正家賃内で住める駅が連続し、特に都心勤務の場合、有力な検討エリアになると考えられます。

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(10月26日時点)
[図表5]京成本線12駅の1K・1DKの平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(10月26日時点)

 

賃貸物件の空家数を見ていきます*。マンション・アパートの数が多い荒川区内は空家数150件以上の赤色が目立ち、隅田川を渡ると駅周辺で橙色(空家~150件/250m2)という水準。そのなかで「お花茶屋」~「青砥」間のエリアで赤色(空家150件~/250m2)が分布。駅から離れた地区で空家が目立っています。また「京成高砂」駅周辺も赤色に。不動産投資の観点では気になるところです。

 

出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成
[図表6]京成本線沿線の共同住宅の空き家の分布 出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成

 

*青色系20件以下、緑~30件、黄緑~40件、黄~80件、薄橙~100件、濃橙~150件、赤150件~

 

■京成本線沿線の中古マンション市場

京成本線沿線の中古マンションの取引状況や価格についてみていきます。

 

過去5年間、四半期ごとの中古マンションの取引件数の推移をみていくと、最も取引件数が多いのは「お花茶屋」。各駅停車しか停まらない、どちらかといえば地味な駅ですが、沿線で最も家賃水準が低いエリア。この家賃水準が旺盛な賃貸ニーズに繋がっていると考えられ、結果、中古不動産の売買も活発になっていると推測されます。続くのが「町屋」「青砥」。乗り換え駅で速達列車も停車するので、高い賃貸ニーズが見込めるエリアです。不動産投資の観点でも、検討したい土台があるといえるでしょう。

 

出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成
[図表7]京成本線都内12駅 中古マンションの取引件数四半期平均(5年間) 出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成

 

中古マンション1m2当たりの価格が最も高いのは「京成上野」。JR駅からは離れているとはいえ、駅周辺は繁華街を形成しているだけあり、平米単価は95万円。続いて「日暮里」「新三河島」で70万円台で推移しますが、「町屋」では50万円台。大規模な再開発でエリア全体で築浅物件が多い「千住大橋」のほか、「堀切菖蒲園」など取引価格の上下はあるものの、「お花茶屋」では40万円台に突入。単身者向け物件であれば1,000万円前半で購入できる水準で、23区内でもリーズナブル感を覚えるエリアです。もちろん賃貸ニーズに応えることのできる物件力は必要ですが、初期費用を抑えたいという人には有力な検討エリアになるでしょう。

 

[図表8]京成本線都内12駅 中古マンションの平米単価
[図表8]京成本線都内12駅 中古マンションの平米単価 [図表8]京成本線都内12駅 中古マンションの平米単価

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

次ページ人口減少が推測されている要注意のエリアは?

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧