次に1K・1DKの駅徒歩10分圏内の平均家賃をみていきます。沿線で最も家賃が高いのは、「日暮里」で8.1万円。JR駅から離れている「京成上野」7.01万円よりも高くなっています。今回、物件数が少なかったことも影響し「京成関屋」で家賃の高まりがみられますが、おおむね都心から離れるに従い家賃も下落していき、「町屋」では6万円台に、「堀切菖蒲園」では5万円台に。JR駅とともに繁華街を構成する「京成小岩」で再び6万円台になりますが、沿線を通じてリーズナブルな家賃水準です。20代の若手会社員でも適正家賃内で住める駅が連続し、特に都心勤務の場合、有力な検討エリアになると考えられます。
賃貸物件の空家数を見ていきます*。マンション・アパートの数が多い荒川区内は空家数150件以上の赤色が目立ち、隅田川を渡ると駅周辺で橙色(空家~150件/250m2)という水準。そのなかで「お花茶屋」~「青砥」間のエリアで赤色(空家150件~/250m2)が分布。駅から離れた地区で空家が目立っています。また「京成高砂」駅周辺も赤色に。不動産投資の観点では気になるところです。
*青色系20件以下、緑~30件、黄緑~40件、黄~80件、薄橙~100件、濃橙~150件、赤150件~
■京成本線沿線の中古マンション市場
京成本線沿線の中古マンションの取引状況や価格についてみていきます。
過去5年間、四半期ごとの中古マンションの取引件数の推移をみていくと、最も取引件数が多いのは「お花茶屋」。各駅停車しか停まらない、どちらかといえば地味な駅ですが、沿線で最も家賃水準が低いエリア。この家賃水準が旺盛な賃貸ニーズに繋がっていると考えられ、結果、中古不動産の売買も活発になっていると推測されます。続くのが「町屋」「青砥」。乗り換え駅で速達列車も停車するので、高い賃貸ニーズが見込めるエリアです。不動産投資の観点でも、検討したい土台があるといえるでしょう。
中古マンション1m2当たりの価格が最も高いのは「京成上野」。JR駅からは離れているとはいえ、駅周辺は繁華街を形成しているだけあり、平米単価は95万円。続いて「日暮里」「新三河島」で70万円台で推移しますが、「町屋」では50万円台。大規模な再開発でエリア全体で築浅物件が多い「千住大橋」のほか、「堀切菖蒲園」など取引価格の上下はあるものの、「お花茶屋」では40万円台に突入。単身者向け物件であれば1,000万円前半で購入できる水準で、23区内でもリーズナブル感を覚えるエリアです。もちろん賃貸ニーズに応えることのできる物件力は必要ですが、初期費用を抑えたいという人には有力な検討エリアになるでしょう。
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