不動産会社の中には、一度連絡を取ると、そこから執拗に営業をしかけてくる会社もあります。今回は、そのようなしつこい営業への対処法について見ていきます。

監督官庁には基本的に弱い不動産会社

不動産会社の中には、一度資料請求などをして興味があることを示すと、ひっきりなしに電話をかけてきたり、いきなり家まで押しかけて来て強引な営業をする会社もあるようです。これでは仕事や日常生活に支障が出ますね。このようなしつこい営業に対処する方法として有効なのは?


1.怒鳴りつける
2.監督官庁(県や都または国土交通省)に連絡する
3.消費者生活センターに連絡する

 

A.2.監督官庁(県や都または国土交通省)に連絡する

   3.消費者生活センターに連絡する

 

<解説>

怒鳴りつければ効果はあるかもしれませんが、結構勇気がいることなのでみんなができるわけではありませんし、大人気ないですね。止めておきましょう。

 

不動産業(宅地建物取引業)は免許事業です。その免許を与えているのは、2つ以上都道府県をまたいで店舗展開している業者については、国土交通省の大臣免許、1つの都道府県の場合は、その知事免許になります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

もし、悪質な営業をされたら、国土交通省または各都道府県の所管課に申し出れば適切な指導や、あまりにも悪質な場合には行政処分を求めることができます。これにより、業務停止や免許の取り消し等の処分が科されることがあるのです。だから不動産会社は監督官庁にめっぽう弱いです。

クーリング・オフ期間が過ぎても打つ手はある!?

宅地建物取引業法と国土交通省令では、次のような営業手段や方法などが規制されています。

 

●事業者は、勧誘に先立って、消費者に社名・担当者名・具体的な来訪目的(マンションの販売勧誘である、等)について、明確に伝える告知義務が課せられている。消費者の求めがあれば、従業者証明書の提示も義務付けられている。

 

●消費者が「関心がない、契約しない」等の意思表示をしたら、事業者はこれ以降、他の担当者や委任した代行業者も含め勧誘は不可能。(いわゆる再勧誘の禁止)

 

●職場で勤務時間中であることを知りながら、反復・継続・執拗(しつよう)な勧誘によって消費者を困惑させることは禁止。

 

また、仮にしつこさに負けて契約してしまっても、クーリング・オフによって解約することができます。クーリング・オフができる条件は、例えば以下のようになります。

 

売り主が、国または都道府県で登録済みの宅地建物取引業者(宅建業者)で、


1.契約代金を、まだ全額を支払っていない
2.クーリング・オフの記載がある書面を受け取っている
3.クーリング・オフの説明を受けてから8日以内

 

クーリング・オフ期間が過ぎても、決済の実行があるまでは手付金を放棄して解約することもできます。そのため、少額手付での契約もリスクのヘッジになります。また、業者のデータベースから自身の情報を消したい場合は、個人情報保護法により自身の情報を変更または削除できるのです。

 

このように、消費者がさまざまな形で守られていることを知っていれば、営業を受ける際に気持ちが楽になるのではないでしょうか。また、事前にこのような知識があることをある程度伝えてみるのも有効です。それでも正々堂々と丁寧に説明してくる営業担当なら、信用度は高いと判断できるからです。

 

また、しつこいどころか家の中へ勝手に入って来たり、暴力を振るわれそうになったら、もうそれは事件です。警察に連絡をしましょう。そんな会社は今どきないと思いますが…。そこまで大事にしたくない、ということなら、まずは消費者生活センターなど公的機関に相談してみる方法もあります。担当者が代わりに業者対応してくれます。

 

とはいえ、しつこく営業されるのが嫌だからと一律に営業を断ってしまっては、数少ないチャンスをつかむことができなくなります。きちんと逃げ道を確保して、色々な業者からしっかり話を聞くことで冷静に判断できるのです。

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    本連載は、2015年7月2日刊行の書籍『サラリーマンのためのマンション経営一問一答』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
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