定時退勤、長期休暇…「経済的な自由な医師」の働き方
私自身の状況ですが、2016年現在で現役の整形外科医師です。市中病院の人工関節センターに勤務しており、毎日充実した医師ライフを楽しんでいます。始業は9時で、終業は17時ごろであることが多いです。終業後はすぐに帰宅します。しかし、だらだらと余暇を過ごすわけではありません。この数年は、新しいことに挑戦することが多いです。このため、さまざまなことに取り組んでいます。
例えば、不動産ファイナンスの研究をしたり、旅館業のオペレーションを構築していたこともありました。医療用装具の知的財産権取得に注力していた時期もあれば、インターネット関連事業の立ち上げに邁進していた時期もあります。2000年以降は毎日欠かさず、金融市場および世界経済の動向に目を配っています。私が興味のある分野は、医療関係に限らず多岐にわたります。傍から見ていると、余暇がなくて大変そうです。しかし、当の本人は、毎日が楽しくてとても充実しています。何と言っても、自分が好きでやっていることです。それだからこそ、楽しくて仕方ないのです。一度きりの人生ですから、やりたいことはできるだけトライしてみる。これが私の主義です。
私は、できるだけ家族と一緒に過ごしたいと考えています。そして、その貴重な時間を確保することを何よりも優先しています。このため、職場から帰宅して子供と遊ぶことも多いです。できるだけ定時に医師の業務を終了するのは、家族との大切な時間を確保することが目的と言っても過言ではありません。また、年に一度は長期休暇を取るようにしています。長期休暇では海外に行くことが多いです。普段と異なる環境で家族と一緒に過ごす時間はとても貴重です。また、子供には、できるだけ多く異文化を経験させてあげたいとも考えています。
「経済的に自由な状況」を支える5つの収入源
経済的に自由な状況に到達することで、医師としての人生を楽しみながらも、比較的自由な立ち位置を取ることが可能です。そして、経済的に自由な状況に到達するために、私は次のような複数の収入源を獲得しました。
●不動産賃貸業
●旅館業
●各種スモールビジネス
●インカムゲイン目的の金融資産(J-REITなど)
●産業用太陽光発電施設
大別すると収入源は5つあります。いずれも、自分の時間をそれほど投入する必要がなく、長期的に安定している収入源です。これらの収入源は、複数あることが重要です。1〜2つだけでは、社会情勢の変化で収入が途絶える危険性があるからです。収入源が増えれば増えるほど、経済的な安定性は強化されます。ちなみに、不動産賃貸業と言っても、その中には10か所の物件が含まれています。物件の種類もさまざまです。収益1棟マンションや収益1棟ビルから、戸建やコインパーキングまで、いろいろなジャンルの物件を所有・運営しています。このため、1つの物件の状況が芳しくなくなっても、すぐにすべての不動産収入が途絶えるわけではありません。
スモールビジネスの中には、ある程度自分の時間を投入する必要があるものも含まれます。しかし、いずれも数万〜300万円程度の小資本で開始しています。このため、仮にビジネスが立ち行かなくなっても、致命的な損失を被ることはありません。
<POINT>
経済的に自由な医師は、充実した医師ライフを楽しむことができる
「経済的に自由な状況」がもたらすチャンス
卒後数年の若手医師にとっては、経済的に自由な状況に到達するメリットを聞かされてもピンとこないかもしれません。経済的に苦しくなる状況は、若手医師にはほぼ無縁だからです。しかし、結婚して子供が大きくなるころから、比較的高収入な医師と言えども、経済的な余裕のなさが切実な問題として浮上してきます。この問題を解決するためには、経済的に自由な状況を実現する必要性があります。そして、経済的に自由な状況に到達することで、次のようなメリットを享受することができます。
●家族と過ごす時間を確保しやすい
●子供に十分な教育費をかけることができる
●大学医局や病院上層部から理不尽な要求があっても、自分の主義・主張を押し通すことが可能
●留学に際して経済的な問題で悩まなくてすむ
●自分のやりたいことに挑戦できる
経済的に自由な状況は、家族と過ごす時間を確保する上でも重要な要素です。言うまでもなく家族と過ごす時間は貴重です。特に小さな子供と過ごすことのできるのは、人生のうちでもごく限られた期間しかありません。一方、医師は長期休暇を取得することが難しいです。最大の要因は、日本の医療業界が主治医制であることですが、それ以外にもアルバイト収入が途絶えてしまう等の経済的な理由もあります。もちろん、長期休暇を取得できるか否かは、医師として働いている環境によります。しかし、経済的な理由で長期休暇を取得できないのは少し寂しい気がします。オンとオフのメリハリを付けて長期休暇を取得する機会が増えれば、医師の仕事もより魅力を増すのではないでしょうか。
子供の未来のために必要であれば十分な教育費を確保することは、親の責務だと思います。親が医師である場合、子供も医師にさせたいと思う方が多いのではないでしょうか。医学部はストレートにいっても6年間もあり、私立大学の場合にはかなり高額な授業料が必要となります。このような場合、勤務医としての給与所得しかない状況では、なかなか子供に十分な教育を施すことができません。しかし、経済的に自由な状況に到達していると、このような悩みから解放されます。
大学医局や病院上層部から理不尽な要求があったとしても、経済的に自由な状況に到達していると、自分の主義・主張を押し通すことが可能です。複数の長期安定的な収入源がある。このおかげで、私は医師として比較的自由な立場と発想を得ることができます。やはり、医師の労働所得がなくても生きていけるという事実は、非常に強力な武器となります。このように、精神的には何者にも従属することがない状態は、精神衛生上とても健康的だと思います。この1点だけでも、経済的自由な状況は非常に心地よいです。誰からも指図されない自由な立場でいられる。この状況を達成するためにも、ぜひ経済的に自由な状況を実現してほしいと思います。
留学する上でも、経済的な問題は頭の痛いことです。大学教員や研究者として生きていくためには、留学というキャリアパスが必須です。留学が決まればとても嬉しいです。しかし、実際に準備をする段階で経済的な問題が出てきます。留学している間は無給であることが多いです。このため、留学中は収入が途絶えてしまいます。留学先での生活費は、基本的に貯蓄で賄わざるを得ません。しかし、留学期間が1年を超えてくると、必要な金額がとても大きくなってきます。実家が裕福で、経済的な援助を得ることができる場合は問題ないでしょう。しかし、家族連れで長期間の留学生活を送ることは、大きな経済的負担になります。まさに「留学貧乏」な状態です。海外での生活は、医師だけではなく家族にとっても素晴らしい体験です。しかし、本格的な留学には、二の足を踏まざるを得ない事情もあるのです。
このような留学のチャンスをつかんだ時にも、経済的に自由な状況を達成していると、躊躇なく留学することが可能です。そもそも、30歳台の医師が、実家から援助してもらって留学することは、恥ずかしいことだと思います。堂々と自分の力で留学というチャンスをモノにする。これも、経済的に自由な状況に到達するひとつの醍醐味ではないでしょうか。
<POINT>
経済的に自由な医師は、
●やりたいことにトライできる
●家族と過ごす時間や長期休暇がとれる
●留学の際に、経済的な問題で悩まなくてすむ
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