本記事は、2016年1月29日刊行の書籍『「ワケあり物件」超高値売却法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

その資産が健全なら「売れる」はずだが…

世の中にはさまざまな「ワケあり物件」があります。そして「ワケあり物件」の多くは、欲しいと思う人がいないために、売りたいと思ってもなかなか売ることができません。

 

とある不動産屋は、懇意にしているお客様に頼まれて、まったく誰も欲しがらないような物件を300万円もらって引き取ったそうです。この300万円とは不動産の対価として不動産屋が支払ったものではなく、解体費と手数料としてお客様からいただいたものだそうです。

 

不動産屋は200万円ほどかけて建物を壊して更地にして、その後2年ほどかけてようやく売却しました。もちろん、その間の固定資産税は不動産屋が支払わねばなりません。更地にすると、建物が建っていたときに比べて固定資産税が6倍になるのですが仕方ありません。手間を考えると利益はほとんどなかったのではないでしょうか。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

また、とある不動産投資家は、鉄筋コンクリート造のマンションを中古で一棟購入し、10年後に売り抜けようとしたのですが、それまでの家賃収入がマイナスになるほどの安値でしか市場に評価されませんでした。5年後にようやく売却できたものの、トータルでは赤字になってしまったそうです。

 

不動産投資は事業ですから、損をすることもあるとはいうものの、売れると思っていたものが売れないと、資金計画が狂って、事業が継続できなくなることもあります。

 

一般の方には、地主さんや不動産オーナーさんはお金持ちだと思われていますが、その資産の多くは不動産で、現金はそれほど持っているわけではありません。超低金利のこの時代に、資産を現金で持っていてもメリットがないからです。

 

地主さんは、資産のほとんどが不動産で、可処分所得はそれほど多くないのです。それどころか、不動産を購入するために借金を抱えている方もいます。メディアに出るときは調子のいいことをしゃべっていますが、意外と内実は火の車という方もいます。

 

しかし、いざ必要になったときにすぐに現金化できるのであれば不動産も立派な「お金」といえますが、流動性が低くなかなか売れないのであれば使い勝手の悪い「見せ金」になってしまいます。売れるか売れないかは、その資産が健全であるかどうかを左右するバロメーターです。

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    本連載は、2016年1月29日刊行の書籍『「ワケあり物件」超高値売却法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    「ワケあり物件」超高値売却法

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    幻冬舎メディアコンサルティング

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