次に1K・1DKの駅徒歩10分圏内の平均家賃をみていきます。沿線で最も家賃が高いのは、やはり「池袋」で8.08万円。その後、6万円台で推移し「石神井公園」では5.86万円と、5万円台に。沿線でも有数の繁華街を形成する「大泉学園」では家賃の高まりがみられますが、それでも6.11万円と、23区でありながら家賃水準はリーズナブル。若年層に支持される要因になっています(図表4)。
このように賃貸物件も多く集中し、リーズナブルな家賃水準の西武池袋線沿線。一方で全国的に空き家問題が顕在化。23区内にも50万戸以上の空き家があり、その数も増加傾向にあるといいます。では西武池袋線沿線ではどうなのでしょうか。
沿線を通して賃貸物件が多いこともあり、繁華街が広がる「池袋」を除き、駅250m圏内、または駅に隣接する地域に、150戸以上の空き家が集中するエリアがみられます。西武池袋線沿線は賃貸ニーズが高く、賃貸物件も多い一方で、物件間の競争も激しいエリア。賃貸ニーズをしっかりと捉えた物件選び、賃貸経営が必須だといえるでしょう(図表5)。
■西武池袋線沿線の中古マンション市場
西武池袋線沿線の中古マンションの取引状況や価格についてみていきます。
過去5年間、四半期ごとの中古マンションの取引件数の推移をみていくと、最も取引件数が多いのは「池袋」。駅周辺に日本でも有数の繁華街が広がる「池袋」ですが、近年、居住地としても人気が上昇。駅近隣でも比較的リーズナブルな家賃水準であることもあり、生活利便性と交通利便性を兼ね備えた街として、単身者層はもちろん、ファミリー層からも支持を集めています。そのような評判から、賃貸物件の売買も活発に行なわれているのでしょう。
そのほか「池袋」から1駅で生活圏内でもある「椎名町」、練馬区の中心的存在である「練馬」や、その隣駅の「中村橋」、商業施設が集積する「大泉学園」などは、売買が活発なエリアだといえます。一方で「東長崎」や「桜台」は平均取引数2~3件と、物件が多いわりに取引きが活発に行われているとは言い難い状況です(図表6)。
1m2当たりの価格が最も高いのは「池袋」で、1平米当たり100万円近い価格となっています。「池袋」から離れるに従い、ゆるやかな下降基調にありますが、「練馬」付近では単価の高まりがみられます。また「大泉学園」周辺は、51.21万円/m2。30m2以下の単身者用物件であれば1,5000万円程度と、かなりリーズナブル感を抱く水準です。もちろん物件力を見極める必要はありますが、初期投資費用を抑えたいという人に向いているエリアといえるでしょう(図表7)。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】