新型コロナより怖い、老人抹殺社会の現実が忍び寄ってきている。「老人はもう長生きしない。なぜなら、老人を殺してもおかしくない社会になっているからだ」――。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が明かす、驚愕の事実。超高齢化社会ニッポンが抱える問題点を明らかにする。本連載は小嶋勝利著『もはや老人はいらない!』(ビジネス社)から一部を抜粋、編集したものです。

自立の高齢者も老人ホームに入居する必要性

重要なことは、数年後、万一、自身が認知症を発症し、一般的な日常生活を送ることができなくなった場合は、事前にあたりをつけていた認知症専門の老人ホームに転ホームすることを想定しておくことです。そのためには常日頃から、該当老人ホームを見学したり、職員や入居者らと話をする機会を作っておくということです。備えあれば憂いなし。敵を知り己を知れば百戦殆うからず、なのです。

 

小嶋勝利著『もはや老人はいらない』(ビジネス社)
小嶋勝利著『もはや老人はいらない』(ビジネス社)

口で言うのは簡単ですが、実際にはなかなかできないものですが、意識して取り組まなければならないことだと思っています。

 

自立の高齢者は、老人ホームに入る必要性があるのか?

 

今までの話の流れから考えると、はたして自立の高齢者は老人ホームに入居する必要があるのか? ということになります。

 

私の結論は、多くの高齢者は老人ホームに入居する必要があるです。高齢者は疑似的な大家族での生活を目指すべきだと考えているからです。ここで言う老人ホームとは高齢者用の住宅のことで、老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)のことを指し、さらには高齢者が便利に生活をすることができる下宿やシェアハウスなども含まれます。その理由を記しておきます。

 

まず住まいの広さです。多くの人にとって住まいとは、家族構成が一番多い時に家を建てたり、引越したりしています。しかし高齢期になり、子供たちが独立してしまえば、その家は広すぎます。したがって自宅をシュリンク(縮小)する必要があります。当然、同時に荷物のシュリンクも必要です。高齢者が要介護状態になり、いよいよ老人ホームに入居をするような場合になって急いで荷物の処分に入るケースをよく目にしますが、私は複数回にわたって荷物を整理するべきだと判断しています。そして、その荷物の整理をするためにも、住まいを移転していくことが重要なのです。

 

コミュニティがある住まい方

 

仕事を引退して老夫婦2人で年金生活に移行した場合、今の住まいを離れ、駅に近い高齢者用の住宅に夫婦で移り住むことをお勧めします。間取りは2DKで十分です。その時に不要な荷物は処分するべきです。

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