現役単身者からの支持が厚く、不動産取引も活発
■大山周辺の人口構造
国勢調査を中心に、大山エリアの人口構造をみていきます。
「大山」のある板橋区の人口は56万人強。23区平均と比較すると、若干、若年層が少なく、高齢者が多い傾向にありますが、ほぼ同程度。一方「大山」周辺には2万人強が居住し、15~64歳の生産労働人口が23区平均を3ポイント近く上回っています(図表1)。
世帯の状況をみていくと、板橋区の単身者比率は23区と同程度。一方で、単身の高齢者が23区平均と比べて5ポイント近くも少なくなっています。大山周辺では単身者比率が区の平均を9ポイント以上上回る60.52%。高齢単身者比率も区平均は上回るも、23区平均は大きく下回る7.72%となっています。(図表2)。
また板橋区では賃貸が優勢の地域で、賃貸率23区平均を上回る56.82%。また「大山」周辺では賃貸率59.46%と6割近くを占めます(図表3)。一方で板橋区は賃貸率が23区平均を上回るも、5年定着率も23区平均を上回り、流動性は低いエリアになっています。しかし「大山」周辺は23区平均も区の平均も大きく下回り、流入出の多い傾向にあります(図表4)。
■不動産マーケットの状況
大山エリアの家賃相場をみていきます。駅徒歩10分の1Kの平均家賃は5.36万円、11分を超えると5.38万円と、20代会社員でも適正家賃内で居住可能な水準です。駅距離による家賃下落率は100%と、駅距離によって家賃は下がらない傾向にあります。「大山」駅の東側には、前出の通り「板橋区役所」が徒歩圏内にあり、特に駅東側のエリアは駅距離に関わらず、家賃が一定に保たれる傾向にあります(図表5)。
中古マンションの価格、取引状況をみていきます。「大山」周辺の1㎡当たり70万円ほど。板橋区の平均は大きく上回り、東京都平均に近い価格になっています(図表6)。過去5年の中古マンションの取引件数をみていくと、四半期平均で14.1件程度と、大山エリアは不動産取引が活発にされているエリアです。直近の2020年第一四半期では平均取引数を下回る12件。コロナ禍の影響を受けたと考えられ、今後の動向に注目です(図表7)。