「不労所得」が謳われる不動産投資、その実態は…
不動産投資の仕組みや特徴についてみてきましたが、その中で一貫してお話ししているのは、「投資という側面がある以上、出口を見据えて戦略を立てなければ失敗する」ということです。
医療が発達している上、少子高齢化が進む日本の平均年齢は先進国の中でも最も高く、アメリカより高い46.1歳です。特段の工夫をせず、今までと同じやり方、同じエリアで若年層、学生のみをターゲットとする賃貸経営は、徐々に入居率が下がっていくでしょう。一方、留学生を積極誘致する大学などを賃貸需要とする物件は需要が見込めるでしょう。また、積極的に高齢者を受け入れる体制をつくっているアパートは、今後も需要が増加していくことでしょう。
自分の物件が今後も継続的に賃貸需要が見込めるのかどうか、10年後のことは誰にもわかりません。リスクをとらないということは、今物件を保有している人は物件を売り、投資をやめ、利益を確定させることです。そもそも不動産投資をしていない人はこれからも不動産投資をしないということになります。
ここまで読んでいただいたらわかるかと思いますが、不動産投資は、豊富な知識や情報によって適切な選択をしていかなければなりませんので、決して、何もしなくとも利益があがる不労所得ではないのです。
不動産投資を確実に成功させるには、家賃収入を最大化させるため、仲介会社、賃貸会社、管理会社、リフォーム会社、税理士などさまざまな業種の人に依頼し、コストをコントロールし、その利ざやで収益を上げなければなりません。そのため、「他人任せ」ではなく多くの情報を取り入れ、自分の頭で考え、組み立てをすることが重要です。