仙台市のとある物件で悲劇が…
●木造で軒天(のきてん)がはがれている物件
自社物件の購入を検討する際、こういった物件は迷わずやめるようにしています。
まず、雨漏れを放置しておくと木造の躯体が腐ります。また、シロアリは湿気を好みますので木の中に住みつき、繁殖します。シロアリが発生すると柱などの躯体はすぐに駄目になり、軒天の板が剥がれ落ちることさえあります。特に軒天の上には、ベランダもしくは廊下の下地がありますので、それが腐っていれば落下のおそれがあります。万が一、廊下やベランダが落下したら、入居者や来訪者の生命に関わり、大家業としての業務上過失責任を問われることになります。修繕には多大なコストがかかるため、購入するのは控えましょう。
仙台市で勤務していたとき、ある投資家が、仙台市太白区の山の上の満室想定利回り30%の物件を購入しました。
12室中入居が4室と、ほとんど入居者がいない物件でした。当初8室で350万円前後の修繕費を見込んでいたようですが、ベランダが腐ってグラグラしていると後になって発覚しました。購入金額が12室で960万円であったのに対し、12室分のベランダの取り換えと塗装とで300万円もの追加費用がかかってしまい、収支が大きくずれてしまったのです。オーナー側としては、入居させた以上、建物を安全に維持する責任があります。コストがかかるからといって修繕しないわけにはいきませんので、注意が必要です。