人口減少の局面になり、厳しさが増す不動産投資。今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資には欠かせない要素である「人口」や「不動産取引の現状」などをもとに検討していきます。今回紹介するのは、西東京市「保谷」。

東京のなかでもリーズナブルな中古マンション

■保谷の人口構造

国勢調査を中心に、保谷エリアの人口構造をみていきます。

 

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「保谷」のある西東京市の人口は20万人強、また隣接する練馬区は71万人強。世代別でみると、西東京市は15歳未満と65歳以上の高齢者が東京都平均を上回る自治体です。「保谷」周辺に目を向けると、15歳未満の人口が東京都平均を2ポイント近く上回る一方で、15~64歳未満の労働者人口は東京都平均とほぼ同程度。ファミリー層の割合が多いエリアです。(図表1)

 

出所:平成27年「国勢調査」より
[図表1]「保谷」周辺の人口動態 出所:平成27年「国勢調査」より

 

世帯の状況をみてみても、西東京市の単身者世帯率は東京都の平均を10ポイント、駅周辺はさらに5ポイント近くも下回ります。1世帯当たりの人数も東京都平均は1.99人に対し、「保谷」周辺では2.31人。ファミリー層から支持されるエリアであることがわかります(図表2)

 

出所:平成27年「国勢調査」より
[図表2]「保谷」周辺の世帯の状況 出所:平成27年「国勢調査」より

 

このような傾向から、「保谷」周辺の持ち家率は、東京都平均を7ポイント近く上回る55.43%(図表3)。また5年定着率も、持ち家率に近い56.26%(図表4)。「保谷」周辺では持ち家派が多数派となりますが、それでも4割以上が賃貸派であることから、投資家にとっても十分検討できるエリアだといえるでしょう。

 

出所:平成27年「国勢調査」より
[図表3]「保谷」周辺の持ち家率 出所:平成27年「国勢調査」より
出所:平成27年「国勢調査」より
[図表4]「保谷」周辺の5年定着率 出所:平成27年「国勢調査」より

 

 

■不動産マーケットの状況

保谷エリアの家賃相場をみていきます。駅徒歩10分の1Kの平均家賃は5.28万円、11分を超えると4.14万円と、20代会社員でも適正家賃内で居住可能な水準です。駅距離による家賃下落率は78%。西東京市の平均と比較し、駅距離が家賃に影響を与えやすいエリアだといえるでしょう(図表5)

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(9月27日時点)
[図表5]「保谷」駅周辺の1K平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(9月27日時点)

 

「保谷」周辺の1㎡当たり46万円ほど。西東京市の平均は上回りますが、東京都平均は30万円近くも下回ります。初期費用を抑えた不動産投資がかなう可能性があります(図表6)。過去5年の中古マンションの取引件数をみていくと、四半期平均で4.5件程度。2016年第4四半期、2017年第1四半期に9件の取引を記録しています。時期よって増減はあるものの、一定のマーケットが存在しているといえます。2019年第4四半期~2020年第1四半期は、5年平均を下回る件数で推移。コロナ禍の影響も考えられるので、2020年第2四半期以降のマーケットに注視しましょう(図表7)

 

出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成
[図表6]「保谷」周辺の中古マンションの取引金額 出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成
出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成
[図表7]「保谷」周辺における、中古マンションの取引数の推移 出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成

 

 

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