「毎年約1億円」の大赤字、窮地の印刷会社を救ったのは…

「小さな見直し」をすることで、あなたの会社の業績は大きく変わるかもしれません。平石経営研究所代表・経営コンサルタントの平石奎太氏は、書籍『生産性向上はこうする』(幻冬舎MC)にて、規模や業種を問わず、多方面にわたった「生産性向上」事例を紹介しています。本記事で取り上げるのは、赤字15%から短期で大幅改善に成功した印刷会社の例です。

過去4年間「毎年約1億円」赤字…どう改善するべき?

F社は創業者から社長を引き継がれて5年が経過し、2004年までは黒字経営だったがその後は毎年赤字を続けた結果、遂に債務超過にいたったとのことでした。ご依頼の趣旨は

 

(1)営業の再建

(2)工場の生産性向上

 

ということでした。

 

毎年赤字を続けた結果、遂に債務超過に… (画像はイメージです/PIXTA)
毎年赤字を続けた結果、遂に債務超過に…
(画像はイメージです/PIXTA)

 

然し、何よりも過去4年間(当期を含めて5年)、毎年約1億円、対売上高比△10%以上の大きな営業損失(赤字)を出してきた原因を突き止め早期に赤字を食い止めることが急務でしたので、ことは急テンポで進めました。

 

一刻の猶予も許されない状況の中、社長が来訪されて再度打ち合わせを行いました。その時のご意向では、

 

①管理面が出来ていない
②上司が部下を叱らない、ミスの原因を詰められない

 

先ず、黒字だった年度を含めて過去6年間の決算書を頂き分析しました。そしてそれに基づき社長に別紙の通り提案書を提出したのです。決算書から見た問題点は明らかで、次の2点の原因追究と改善が急務でした。

 

①売上総利益率が45期に一気に半減(24.3%→12.8%)したのはなぜか
②以後売上総利益率が回復していないのはなぜか

 

[図表]決算分析から見た緊急課題

 

社員45名へのインタビューでわかったこと

(1)概容

①トップと社員のコミュニケーションが欠如している
②「営業グループ」と「デザイングループ」の問題意識が高い(顧客の窓口)

 

(2)組織の問題

①グループ間の連携が悪い(欠落している)

営業―デザイン-製版-印刷-総務の連携

本社―営業所の情報伝達

 

②部門毎の責任者不在(組織図上は存在するが実際には機能していない)
ex.材料発注の責任者不明

ex.相談無しの機材購入がある

 

③役割り分担不明確

「価格交渉」「決定」が営業任せでルールがない

「外注」が多く、営業任せでルールがない(内製可能70%)

「製版」受付の窓口責任者が不明確

 

(3)その他喫緊の課題

①飛び込み(70%)や当日いきなりの作業指示が多い

②進行予定表がないので他部署の仕事の負荷が分からない。

③納期違い、値段違い、枚数違い、刷色違い、チェックミスが多い

 

決算書分析と社員インタビューから問題点と改革の要点が明確になったので次の通り組織横断のプロジェクトチームを3チーム編成して改革に取組むことになりました。

 

①4S、組織の活性化

②生産性向上・コストダウン

③品質改良(印刷、間接業務)

平石経営研究所 代表
経営コンサルタント

(元)大阪府指定出資法人評価等審議会委員
1959年 東京大学法学部卒業
1959年 三洋電機株式会社入社
・冷蔵庫国内営業部統括部長
・冷凍機事業部長
・株式会社三洋スカイリゾート社長
1995年 三洋電機退社。経営コンサルティングに従事

<著書>
・『三洋電機事業部改革・感動の軌跡─折り重なって前へ行け』
・『「買いたい」をつくる─成功マーケティング実例─』〈共著〉
・その他執筆多数

著者紹介

連載生産性向上はこうする

生産性向上はこうする

生産性向上はこうする

平石 奎太

幻冬舎メディアコンサルティング

規模や業種を問わず、多方面にわたった事例を紹介。経営コンサルタントとして数々の事業を再建してきた著者による真の生産性向上を遂げ、経営改善を成功させるための手引書。

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