「小さな見直し」をすることで、あなたの会社の業績は大きく変わるかもしれません。平石経営研究所代表・経営コンサルタントの平石奎太氏は、書籍『生産性向上はこうする』(幻冬舎MC)にて、規模や業種を問わず、多方面にわたった「生産性向上」事例を紹介しています。本記事で取り上げるのは、長年クレームに悩まされていたとある中小企業です。

「好調時」こそ、経営体質の更なる体質改善を

クレームを3件以下/年にせよと言っているけどなかなか実現できない、との話が出てそれが一つの問題点であるのは分かりましたが、話を誘導した感があって他に悩みがおありではないかと思ったのです。


業績が好調なだけに何をやったらよいのか改革の課題がなかなか見えてこない。これが社長にとって真の問題点だったのではないかと理解しました。

 

真の問題点は「改革の課題がなかなか見つからない」こと (画像はイメージです/PIXTA)
真の問題点は「改革の課題がなかなか見つからない」ことだった
(画像はイメージです/PIXTA)

 

次に経営基盤をどのようにして強化するか、その課題を探すチェックポイントを紹介します。

 

①事業戦略(どんな商品・サービスを、どの市場に、誰に提供するか)

事業を取り巻く環境が時々刻々と変わっていくときに、事業の内容も環境の変化についていくべく変化を遂げる必要があります。現在提供している商品やサービス、そしてそのマーケットをチェックすることが大事です。

 

[図表1]事業戦略のチェックポイント

 

競争戦略(他社に対する競争優位を確立する)

現在の事業で生き残り更なる発展を期するためには、「競争戦略のチェックポイント」の図のいずれかの点で競争相手より優位であること、更には圧倒的な競争力を確立する視点をもつことが必要です。その視点で事業の現状をチェックしてみてください。

 

[図表2]競争戦略のチェックポイント

 

③従業員満足

“経営は人なり”といいます。従って従業員満足度が高いことが経営の根本です。社員のモラール(働く意欲)を調査する手法は数多くありますが、「従業員満足のチェックポイント」の図の視点から社員の現状の概容をチェックしてみてください。

 

[図表3]従業員満足のチェックポイント

 

分からなければ社員に聞いてみる

早速2日間かけて、会社を更に強くするために、のテーマで社員インタビューを行いました。私が社長宛に提出したインタビュー報告書から経営課題の要点を抜粋して紹介します。

 

[図表3]社員の意見

 

最初に行うべきことは、現状の整理

・報告されていないクレーム。
ex. 簡単に解決できたもの
ex .小さいから記録するに及ばないと考えられたもの
ex. 表沙汰にしたくないもの etc.

・クレームの定義があいまいなので記録があったりなかったりする。

 

クレームや商品の品質は顧客との信頼関係の根幹をなす問題です。ですからことの大小にかかわらず全てを把握し記録しておくことが先ず必要です。小さな事故や幸いにして大事に至らなかった案件でもその背後にどんな大きな問題が隠されているか分かりません。

 

また、例え小さくともコツコツと改善を積み上げていくことが重要です。

次ページ「クレーム」を生んでいたもの
生産性向上はこうする

生産性向上はこうする

平石 奎太

幻冬舎メディアコンサルティング

規模や業種を問わず、多方面にわたった事例を紹介。経営コンサルタントとして数々の事業を再建してきた著者による真の生産性向上を遂げ、経営改善を成功させるための手引書。

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