問題点と原因、そして対策が明確になり、社長独自による改革と社員全員参加のPSIP(ピーシップ)の改革が同時平行で進むことになりました。そして初回訪問の10月20日から6ヶ月弱の短い期間でしたが不十分ながらも大きな成果を上げ改革の軌道にのせることができました。
「外注加工」のルール化で売上総利益率の大幅改善
社員インタビューで「営業任せでルールがなく、70%が内製可能」との意見があった外注加工費については、早速社長から書面により改善指示書が出されルール化されました。
・外注手配書によって手配する
・営業部が工務部に4営業日前までに「見積計算書」を提出する
・工務部は「外注手配書」によって3営業日前までに「社長決裁」を受ける
このことにより売上高外注費率が24.4%から16.2%へ8.2ポイント改善し、それがそのまま売上高総利益率を11.9%から19.8%へと大きく7.9ポイント改善することにつながりました。
「経常利益率」がマイナス14.1%からマイナス2.7%へ
①増加していた物流費の改善
42期から47期にかけて売上高が半減する中で物流費が1千7百万円から2千万円に増加していました。売上高比率では1.5%が3.3%になっていたのです。
社長に問題提起しますと、早速事情を調べられ取引先の輸送保管業務を代行している分が赤字になっていることが分かりました。売上げの減少を埋める思いで始めたとのことでしたが赤字受注では意味がありません。
結局その代行業務は即時に解除されることになりました。その効果が徐々に売上高物流費率の削減(47期3.3%、48期1~4月3.0%、5~10月2.7%)となって販・管費率の改善につながりました。
②その他人件費や広告宣伝費の改善
以上の改善などにより販・管費率が47期分27.8%から24.3%と改善され、経常利益率はマイナス14.1%からマイナス2.7%へと11.4%の大幅改善となりました。