求められるコストダウンの「背景」を理解する
コストダウンをただ漫然と行っていても大きな成果は上がりません。また、コストダウンの努力はしても、やり方によって、或いは会社によってその成果に大きな差異が生まれます。それはナゼでしょうか。
今会社は、大手企業か中小企業かを問わず厳しいコストダウンの必要に迫られています。これは発展途上国の企業が経済の成長とともに力をつけて、われわれの競争相手になってきたことが背景にあるからです。それは時間が経てば緩和されるものでもなく逃げるわけにも行きません。
「先手を打って大幅にコストダウン」を図ることが重要
激動する海外の事情を見て先手を打って大幅なコストダウンを図っておくことが生き残りのために重要です。
・これ以上どうしろというのか
・どこにムダがあるというのか
こんな思いがないでしょうか。然し、コストダウンの方法はいろいろあります。コストダウンといえば、「経費節減」と「仕入れ単価」の引き下げと考えている人が多いかもしれませんが、それはコストダウンのほんの一部に過ぎません。
品質の改善、工程改善、生産性向上など全てコストダウンに通じます。
コストダウンの目的を明確にする必要がある
ただ漫然とコストダウンを行うのでは大きな成果は得られません。
・何のためにコストダウンを行うのか
・生き残りの条件は何か
・競争相手はどこか
・必要なコストダウンは何%か
など、先ずコストダウンの目的や目標を明確にすることが大事です。そして、コストダウン1/2など、思い切った大きな目標に挑戦することです。大きな目標を設定することによって新しい問題点や課題が見えてきます。
コストダウンの必要性、可能性は経営の視点から考える
コストダウンは、つまるところ会社を強くするためのものです。ですからコストダウンの必要性と可能性を“経営の視点で考える”ことが大事です。決算書に基づいて、経営体質を或いは収益性をどこまで強化するかその目標を明確にすることが重要です。
取引先の当面の要求を満たすだけでは現状維持に過ぎません。大きなコストダウンを求められるのを機会に、併せて経営の体質強化を図られてはどうでしょうか。
売上高げ激減のA社…問題解決のためには?
A社の過去5年の決算(図表1)をご覧ください。ここから何を読み取られるでしょうか。