※写真はイメージです/PIXTA

「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。ウィステリア・グループ株式会社の代表である藤本好二氏は、書籍『不動産投資業者のリアル』(幻冬舎MC)にて、新築1R業者・客付仲介会社・管理会社・買取販売会社をはじめ、ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露している。

「とにかく手を抜く」悪徳業者の典型例は…

維持管理のための業務は、建物管理、集金管理、更新や清算など多岐にわたりますが、管理会社がどこまで担当するかは、管理委託契約の内容によります。主だったものを挙げると、以下のような業務があります。

 

・建物の維持管理

共用部の清掃や日常的な点検などです。大規模な補修や清掃が必要な場合は、別契約で行うことが多いです。その他、消防設備点検など法定点検の手配も含まれます。

 

・集金管理

毎月の家賃の入金の確認や、家賃の口座振替の事務手続きのサポートなど、家賃にまつわる業務です。もし滞納している借主がいれば、まず電話で督促し、それでも支払いがない場合には、連帯保証人への支払督促、もしくは債務保証業者への代位弁済請求の通知といった対応を行います。

 

・更新業務

借主に対し、契約の満期3カ月前に更新の打診をし、更新の意思があれば更新契約を締結します。もし借主が退去を希望するなら、それを受理した上、退去時には立ち会いを行って、室内の現況を確認します。敷金の清算や、鍵の受け渡しなども行います。

 

・トラブルや苦情への対応

借主からのクレームの窓口になるのも、管理会社です。建物および付帯設備の不具合から近隣住民とのトラブルまで、すべてのクレームを受け付けます。実際にどこまで対応するかはオーナーとの間の契約により、その範囲内であれば直接対応します。ただし、賃貸借契約上の当事者はオーナーと借主であるため、トラブルがあった場合の最終的な責任者は、管理会社ではなくオーナーです。

 

こうした管理業務を行う会社の主な収益は、物件の貸主であるオーナーから受け取る管理受託報酬です。報酬は、受託している業務内容によってその額が決まりますから、業務範囲が多ければその分報酬が多くなります。

 

維持管理をする会社における悪徳な仕事の典型は、とにかく手を抜くことです。

 

極端な話、なにもせずとも毎月の収入は変わりませんから、できるだけ人手をかけず簡易に済ませようとします。そうした会社にあたると、結果的に建物の劣化が早くなったり、住民トラブルが頻発したりするといった被害を受けます。

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不動産投資業者のリアル

不動産投資業者のリアル

藤本 好二

幻冬舎メディアコンサルティング

「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。 新築1R業者、客付仲介会社、管理会社、買取販売会社。ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露。

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